頭でわかっているだけでは行動はおきない
行動するために必要なのは?
もちろんそういう場合もありますが、わかってはいても動けないという状況も案外多いものです。
人は頭でわかっているからといって必ず行動するとは限りません。たとえ、それが必要であることや正しいことがわかっていてもです。そこにはさまざまな要因があります。
今回はそうした要因に目を向けながら、それを超えていくためのアプローチをご紹介しましょう。
予行練習をする
たとえば、- 新規の顧客へのプレゼンテーションに出かける
- 新しい仕事の担当になる
- 誰かにシビアな内容をリクエスト、フィードバックする
- クレーム対応に臨む
そこで、次のようなステップで、これから起こる事態をシミュレーションさせ、ロールプレイなどを行いながら、その場面の「予行演習」をします。
「予行練習」のステップ
- 今後経験するであろう事柄について、「もし…だったら」という言葉を使って、これから起こることについて話し合う
例:「もしそれを要望したら、何と言われると思いますか?」
「そのときあなたはどうしますか?」 - 相手役になって、実際に予行練習する
例:「私がその相手だと思って、話してみてください」 - それについてフィードバックしたり、新たな方法を検討したりする
- 別の展開に関してもリハーサルする
このようにあらかじめ疑似体験をしておくことで、イメージが湧くとともに、対応策を身につけることで恐れを減少させ、落ち着いて行動を起こすことができます。
ただ、予行演習にあまり長く時間をとりすぎないようにしましょう。リハーサルばかりで本番に踏み切らない相手には、とにかく飛び込ませることも必要です。
新しい捉え方に変換する
私たちは、自分の置かれている状況をある特定の枠組みに当てはめ、身動きがとれなくなってしまうことがあります。特に、目標と現状のギャップを分析する過程では、ギャップそのものを「足りないところ」「だめなところ」と捉えてしまい、その事実に向き合えないことがあります。
たとえば、何度企画書を提出しても上司に受理されない、何社回っても契約がとれないときなどに「もうこれ以上やっても無理だ」と落胆している部下がいるとしましょう。もし、今の状況を「飛躍へのチャンス」というふうに捉えることができれば、その後の行動は大きく変わってくるはずです。
「新しいとらえ方に変換する」とは、 相手が前進することを妨げている、物事に対する捉え方(枠) を取り替え、新しい視点を与え、行動への動機づけを行うことです。
「新しいとらえ方に変換する」ステップ
- ステークホルダーが使っている否定的な言葉に注目し、実際の状況はどうなのかを聞く
- 新しい視点をもたらす質問を投げかける
例:「ここまでのプロセスで何を学びましたか?」
「上司は、あなたに何を望んでいると思いますか?」
「この機会を自分の成長のチャンスだとすると、何ができますか?」 - 環境・場所を整えるたり変えることで新しい発想を生むきっかけをつくる
例:ミーティングを社外の会議室や屋外でやってみる
ランチを一緒にとりながら検討する
このアプローチは、「チャンスはいくらでもあるよ」といったありふれた慰めをすることとは違いますので、注意の上活用してください。
次ページでさらに2つのアプローチをご紹介。