コストパフォーマンスの最大化は「築16年で買って築30年で売る」
古いマンションであっても、リフォームすれば部屋のなかは新築同様によみがえるものですから、築16年超のマンションを買って築30年程度で売却し、新たに住み替えるのは合理的な住行動だと思います。築30年程度のマンションはちょうど大規模修繕が始まっていたり、工事が終了して共用スペースもきれいになっていたりする時期が、売却するには良いタイミングです。図表1 中古マンション成約物件の築年別構成比率
図表1を見る限り、築16年超の成約物件の比率は51.0パーセントとわずかながら上回ってはいるものの、まだまだコストパフォーマンスの良さが知れわたっていないようで、ちょっと残念ですね。
新築を買うなら中住戸がいい
とはいえ、やっぱり新築という方もいらっしゃると思います。コストパフォーマンスの良い新築住戸についてもふれておきましょう。マンションの住戸の値付けは、真中の階の真中の住戸を基本にして、上の階にいくほど価格はあがり、下の階にいくほど価格は下がります。また同じ階のなかでは、角部屋とりわけ人気の高い東南角の住戸の価格を高くします。コストパフォーマンスの点からみると、真中階の真中住戸や、1階の専用庭付き住戸などが有利でしょう。
また、中古になると、新築時のように全住戸がいっせいに売りに出されて、中住戸と最上階住戸が比較検討されるわけではありません。一住戸ずつ売り出されるので、競争相手は棟内ではなく周辺のマンションになります。
そうしたなかでの比較検討はまずは立地の良し悪しが優先されます。住戸の位置はそのあとのことになってしまいます。価格もそのときの相場によって決まるため、売り出し時期が悪いときの最上階の東南角部屋の価格と売り出し時期の良いときの真中階の真中住戸の価格に差がつかないこともあるのです。中古になったら、新築時の価格設定のメカニズムは通用しないというわけです。
それでは、次回はランニングコストについてご説明します。