具体的な予防対策を促進しよう!
教育研修、社内周知を継続的に行いましょう
1.トップからのメッセージ発信(例 朝礼・研修・社内報など)
パワハラ予防のために、トップをはじめとした上層部の姿勢や決意を表明することです。
2.就業規則等で社内ルールを決めること
・就業規則に関係規定を追加。具体的には「服務規律」にパワハラ禁止に関する規定を明確に規定する。「表彰及び制裁」の懲戒事由に、パワハラ行為を追加するなど。
・詳細規程として就業規則による別規程(パワハラ防止規程)を定める。
・予防、解決については方針やガイドラインを作成。労使で防止策に取り組むことがポイントです。
3.従業員アンケートで実態を把握すること
実態調査は取組みのスタートラインです。パワハラではないと理解していたことが、実は従業員にとって大きな苦痛になっている場合になっていることもあるのです。
4.教育研修は、最善の予防対策
管理職研修、従業員研修。人権、コンプライアンス、コミュニケーションスキル、マネジメントの研修と組み合わせて実施すると効果的。参加者に当事者意識を持たせることが勘所です。
5.社内で継続的に周知すること
前記のトップのメッセージや方針、取組について社内周知を図っていくことです。
・社内広報誌(社内イントラネットなど)への掲載・ポスター、リーフレットなどの掲示、作成、配布などにより継続的に周知していくことです。
問題が起こった際の対応(解決策)方法は!
社内ですぐに相談できる窓口(環境)を設けしっかり傾聴していきましょう
1.企業内の相談窓口で対応する
悩んでいる者を救うには、相談できる環境がなにより必要です。職場内で相談対応者を決め、第3者の立場で相談に対応しましょう。まずは相談者の精神的負担を少しでも軽くすることを心がけ真摯に傾聴(カウンセリング)することです。どのような解決を望むのか相談者とともに整理し、相談者と加害者の仲介などの解決までを行います。
2.苦情処理セクション(苦情処理委員会など)の設置
企業規模によっては、相談窓口とは別に、苦情処理セクションを設置して対応することも考えられます。企業内の第三者的立場で、中立公正な事実確認、加害者への教育的指導や加害者の処分勧告などの機能を持たせることです。
3.外部の専門機関の活用も
社内で相談窓口が設置できない場合やうまく解決に向かわないこともありえますね。その場合は外部の公的機関などを活用することも考えましょう。
各都道府県労働局の総合労働相談センターなどの、職場のパワーハラスメントに関連する相談機関の活用で解決を図ることもできます。助言・指導・あっせんなどでの解決が図れます。
最後に
「企業は人なり」。今回はパワハラを取り上げましたが、人材マネジメントの問題として考えた場合、人間関係の管理がいかに大切かが分かります。プッシュ型で高圧的に関わるのでは、従業員個人の力を最大限に引き出していくことは難しいでしょう。仕事の主人公は各従業員です。企業現場では、その主体性を引き出していくプル型で後方支援する姿勢をとるマネジメントも効果的なのです。<参考記事>
これからの労務管理のキーワードは、「従業員満足」
<参考資料>
あかるい職場応援団(厚生労働省委託事業)
これってパワハラ?(厚生労働省)