太らないお酒の飲み方とは?
お酒を分解してくれているのは体内の酵素
お酒を飲むと、アルコールは胃と小腸上部で吸収され、肝臓に運ばれますが、そこでは2段階の酵素の働きにより、処理されます。
肝臓にあるADH(アルコール脱水素分解酵素)という酵素が、アルコールをアセトアルデヒドと水素に変えます。実は、このアセトアルデヒドが悪酔いさせる原因。
次にその悪酔い物質のアセトアルデヒドをALDH(アルデヒド脱水素酵素)という酵素が働き、無害な酢酸と水素に変え、血液中に放出。最終的には炭酸とガスと水になって体外へ排出されます。
こうして、体内酵素の頑張りにより、毒であるお酒が分解されるわけです。
お酒に弱い人と強い人の違いは?
お酒に強いか弱いかを決めているのは、ある1つのアミノ酸。
また、実はアセトアルデヒドを分解する酵素ALDHには2種類あります。酵素はアミノ酸が繋がり合ってできているのですが、そのアミノ酸の繋がり方によって2種類に分けられるのです。
◆参考に→酵素って何?~みんなが誤解をしている酵素について~
このALDHという酵素の487番目のアミノ酸が欧米人はみな、「グルタミン酸」なのに対して、日本人は「リジン」となっている人が非常に多いのです。たかが1つのアミノ酸の種類の違いですが、ここがリジンになっている場合、アセトアルデヒドを酢酸に変える能力が弱くなるのです。
だから欧米人に比べて日本人の方がお酒に弱い人が多いのですね。つまり、お酒の強さは、こうした酵素の違いが関係しているのです。
訓練次第では強くなれる?
飲酒が多いと体内で増加する酵素のおかげで、お酒に強くなることも。
自分のアルコール処理能力を超えるくらいのお酒が体内に入ってくると、体内では「シトクロムP450」という解毒専門の酵素が働き、解毒を助けます。さらに、飲酒があまりに頻繁になってくるとこの酵素が徐々に増加してくるといわれています。飲み続けているうちにお酒に強くなってきたという場合は、こうした変化が起こっている可能性があります。
ただし、だからといって、度を越えた飲酒はお勧めできません。怖い例ですが、あまりに飲酒が日常化しすぎている人の場合、体内に増えたシトクロムP450が手術時の麻酔をも毒と認識し分解してしまうため、麻酔が効きづらいともいわれています。
ただ、体内に入るあらゆる有害物質を分解してくれるため、生まれつきこのシトクロムP450が多い人は、多少の無理があっても病気になりづらいなど、健康的生活を送ることができます。
お酒とおつまみの選び方次第で、飲んでも太らない
お酒を飲む時は一緒に食べるおつまみがポイント。
お酒は糖質が高いものが多く、特に女性が好きな甘いカクテルや果実酒などはカロリーもかなり高いため、たとえ飲む量が多くなくても注意が必要です。
また、おつまみに米類や麺類など炭水化物を頼んでしまうと、糖質の摂りすぎで確実に太ってしまいます。お酒を飲む時のおつまみは、出来る限り炭水化物類(ご飯類、パスタ、パンなど)を控え、たんぱく質やビタミン・ミネラルを意識したものを選びましょう。
ビールも糖質が高い上に、成分に塩分をあまり含んでおらず、カリウムが多いため、飲めば飲むほど、尿から水分が排出され、体内はナトリウム不足となり、ついつい塩辛いものが食べたくなるのです。その結果、カロリーの高いおつまみを食べすぎてしまうことも。ビールのおつまみとして是非お勧めしたい食べ物は枝豆。枝豆は糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1をはじめ、アルコール分解を助けるメチオニンやビタミンCも豊富です。
また、比較的糖質が少ない焼酎やウィスキーなどの蒸留酒の方が太りにくいでしょう。
お酒を楽しみながらもキレイでいるためにこれだけは我慢!
なぜお酒を飲んだ後はラーメンが食べたくなるの?
お酒を飲んだ後は、シメにラーメンや甘いデザートが欲しくなるもの。ダイエットを意識されている方は、ここはグッと我慢しましょう。なぜお腹がいっぱいの状態なのにも関わらず、こういったものが食べたくなるのでしょうか。
体内でアルコールを分解する際に肝臓では血液中の糖分を大量に消費するため、脳が空腹状態と認識し、お腹が空いたような感覚になってしまうのです。ここは「嘘の空腹感」に惑わされず、水分を摂って寝てしまうのが一番です。
シメを我慢できた場合も我慢できなかった場合も楽しい飲み会でストレスが発散できれば心はきっと満たされます。終わったことを後悔せず、飲みすぎ・食べすぎてしまった後は、早い段階でファスティング(断食)などで体内リセットができるとよいでしょう。
太らないお酒の飲み方のまとめ
上手にお酒とつきあいましょう。
これからクリスマス、忘年会など飲み会の場面が増えることと思いますが、上手にお酒をつきあえるよう、下記の7つのポイントを意識してみてください。
- お酒を選ぶ時、チェックをするのはカロリーではなく内容成分。
- 一緒に頂くおつまみの選び方に注意。(特に炭水化物は控えること)
- 自分の限度を知っておくこと。
- ゆっくり時間をかけて、チビチビとお酒を味わい、飲みすぎを防ぎましょう。
- シメのラーメンや甘いものだけは何が何でも我慢。
- 飲み食べしすぎた後は、早めのリセットを。(ファスティングなど)
- 過ぎたことは後悔せず、いつも前向きに。
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