和製フランス語……クレヨンは鉛筆?
crayonは鉛筆
その一例がクレヨンです。
日本では色をつける画材の名前として使われています。ところが、フランス語のcrayon(クれヨン)は、「鉛筆」の意味
で使われています。
こちらでは画材のつもりでcrayonと言っても、鉛筆が出てきてしまうわけです。
というわけで、今回はそのままでは使えない和製フランス語を集めてみました。
※発音表記はRとLを区別をするために、Rの音はひらがなで、Lの音はカタカナで表示しています
衣に関する和製のフランス語
・ルージュ「口紅」という意味で使われているルージュ。フランス語では「赤」という色を指します。フランス語の口紅は、rouge à lèvres (るージュ ア レーヴる)、直訳すると唇用の赤です。ピンクやベージュ、オレンジの口紅でも同じ言い方をします。
食に関する和製のフランス語
・ミルフィーユミルフィーユはたくさんの女の子?
正しくは、mille-feuille(ミルフォイユ)。feuilleは、葉や紙片を示す言葉です。
・シュークリーム
生地がふっくらとふくらんで、中にクリームの入ったお菓子を日本語でシュークリームと読んで
いますが、フランス語での呼び名は、chou à la crème (シュ ア ラ クれーム)。chou (シュ)はキャベツを意味しています。
日本では、シュークリームは定番のお菓子のひとつですが、フランスでは chou à la crème よりも、profiteroles (プろフィットろール)という名を目にすることが多いようです。やはり焼いたシューですが、中身が生クリームやアイスクリームで、チョコレートソースなどのかかったお菓子です。
・プリン・ア・ラ・モード/パフェ・ア・ラ・モード
どちらもありそうですが、フランス語にはない言葉です。「ア・ラ・モード」は、à la mode 「流行の」という言葉が存在しますが、プリンやパフェというフランス語はありません。日本のプリンは、crème aux oeufs(クれーム オ ズー)、flan(フラン)と呼ばれるデザートが
近いようです。
・フレンチ・トースト
こちらはフランス語ではないので、ちょっと余談です。
パンに卵、牛乳、砂糖を混ぜ合わせたものをしみこませ、フライパンにバターをひいて焼いたものをフレンチ・トーストと呼んでいます。フランス語ではないものの、フレンチというからには、この名のものがフランスに存在するかと思いきや、フランス語には「フレンチ・トースト」はありません。フランス語では pain perdu(パン ペるデュ)と呼ばれています。
・カフェテラス
日本語でカフェの屋外席を指す言葉ですが、こちらも和製仏語です。
カフェのテラス席
・アラカルト
日本では「いろいろ」、「あれこれ」、「たくさんの~」という意味合いで使われることのあるアラカルトですが、フランス語では à la carte(ア ラ カるト)と書き、レストランで「(料理を)一品ずつ選んで」ということを意味しています。
・メニュー
レストランでの品書きのこと、またはコンピューターの画面上に表示される選択肢を指しますが、フランス語では menu (ムニュ)と言い、主に「定食」の意味で使われます。レストランやカフェで注文するときに品書きの「メニュー」をお願いしたいときには、
La carte, s’il vous plaît.(ラ カるト シル ヴ プレ)
と、carte を頼んでください。carte が日本語の「メニュー」を意味しています。
生活で使う和製のフランス語
・ランデヴー男女間のデートという意味で使われていますが、フランス語では広い意味での「会う約束」を
意味します。医者や美容院、公共機関での予約、会合、商談などの「会う約束」すべてに使います。rendez-vous(らンデ ヴー)と書きます。
・トラバーユ
日本では「転職する」意味で使われていますが、フランス語の travail(トらヴァイユ)には、
「転職する」意味はありません。仕事、労働、勉強、課業、細工、作品、訓練などを指しています。ちなみに医学用語では、分娩、出産も意味しています。
そのままでは使えない和製フランス語は他にもいろいろありますので、探してみてください。
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