物件不足で、自分にとっていいものが見つけにくい

2つめの理由は、「物件不足で、コレ! と思うものに巡り合うチャンスが少ない」ということです。

2013年の1~6月に売り出されたマンションの数は首都圏で約2万4000戸、契約率は78.8%。これは出したらすぐに売れる状態です。モデルルームに行くと条件の悪い住戸をのぞき、「ただ今現在、すべての住戸にお申し込みをいただいております」という営業マンの慇懃な説明を受けることになります。ここで出遅れ感のある人は、周囲の雰囲気にのまれ、気に入らない点はあるものの、あせって残り住戸に申し込みをいれてしまう、という場面が展開するのです。

中古マンションも特に良い条件のものは、すぐに複数の買い手どうしで競争になるため、多少のことには目をつぶりつつ、他者に先を越されることを恐れ、申し込みを入れてしまう、という典型的な後悔パターンに陥ってしまいがちなのです。

じつは、住宅を買うというのは、しかも自分の気に入ったものを妥協せずに、となると決して効率のよいものではありません。立地を絞りこんで定点で探していくと、1年間に売り出される戸数は以外に少なく、どちらかといえば、売り出しが全くない駅のほうが多く、ヨリドリミドリ、というわけにはいかないのが現実です。

たまたま、同じ駅周辺に数物件が集中していても、不動産会社は、競合することを避け、あえて販売時期をずらしてくることもあります。このように、分譲住宅はいっせいに同じ時期に売り出しがかかるわけでも、どの駅にもまんべんなく売り出されるわけでもありません。

中古は、たとえば特定地域に1000戸のマンション住戸があったとするとそのうちおおむね3%程度、つまり30戸程度しか常時売り出される住戸は出てきません。買って満足の家選びは、住みたい地域を決め、そこに住宅が売り出されたら見に行き、自分の希望条件に合っていれば購入を決断する、というのがセオリーです。このセオリーどおりに住宅を探すとなると、現実には、2~3年かかるのが当たり前なのです。

また、不動産各社は春、秋を中心に、競合の動きを意識しつつ独自の販売時期を設定します。つまり盆、暮れ、正月を除き1年中どこかの不動産会社が間断なく住宅を売り出しています。時期を決め手、この間に集中的かつ効率的に探すという行動がとりにくいのが住宅購入なのです。

最近の住宅購入者は1物件しか見ない、多くても3物件しか見ないで買いましたという人が多いのですが、これは今あるものの中からとりあえず買えるものを買う、という発想からくるものでしょう。でも本来は、買いたいものがあれば買う、出会い頭の1物件に一目ぼれもあるかもしれませんが、それは例外中の例外。今なければ出てくるまで待つ、2~3年は当然かかるものと覚悟する、というのが後悔しない住まい選びだと思うのです。

住宅の売買が上手な人は、需要が増加傾向にあり、それにともなって、価格も売れ行きもアップするという売り手市場のタイミングで、自宅を売却し、いったん住みたい地域の賃貸に引っ越します。そのうえで、じっくり気に入った物件を探し始め、需要が落ち着きを見せ、価格上昇もとまるころあいを見計らって狙いをつけていた住宅の買いを決断するとのことです。この間だいたい3年(場合によっては2年もしくは4年になることも)程度だそうです。

今が買い時と活動を始めている方、粘り腰でゴールは3年先まで良し、というのは、遠すぎますか?


買い時は今じゃない3つ目の理由は「2015年以降は買い手市場」……次のページ