説明文を読み解くカギは、サンドイッチ構造と接続詞にあります。
- 読解力向上はサンドイッチ構造の流れを読みとる
- 国語では接続詞を制するものが読解を制する
- 接続詞「つまり」は具体→抽象という流れを表す
- 接続詞「たとえば」は抽象→具体という流れを表す
- 「だから」「それで」は理由・原因→結論・結果という流れを表す
- 「なぜなら」は、逆に結論・結果→理由・原因という流れを表す
- 「しかし」は、それまでの内容とは異なる流れを表す
国語の読解力向上は「サンドイッチ構造」の流れを読みとる
説明文では、筆者が言いたいこと(=抽象)を、具体例を挙げて説明する形式が大半です。文章の構造を見てみると、抽象(筆者の言いたいこと)→ 具体(具体的な例)→ 抽象(まとめの文)となっています。国語の教科書を見てみましょう。光村図書の小学6年生(平成25年度版)の「言葉は動く」では、言葉の変化について紹介しています。筆者の言いたいことは、「言葉は変化する」ことです。それを、「こよみ」から「カレンダー」に変わった例、「かしら」から「あたまに」変わった例などを、具体的な例として取り上げて説明しています。
また、同じ光村図書の小学5年生の教科書の「生き物は円柱形」では、「見立てる」という行為について紹介しています。「見立てる」という行為がどういうことか、「あや取り」を具体的な例として取り上げて説明しています。
いずれも、抽象(筆者の言いたいこと)→ 具体(具体的な例)→ 抽象(まとめの文)という、いわば「サンドイッチ構造」になっています。こうして、大まかな文章の構造や流れを理解した上で文章を読むことは、読解の手助けとなります。
国語では接続詞を制するものが読解を制する
国語では()埋め問題として、適切な「しかし」や「つまり」といった接続詞を答える問題がよく出題されます。選択問題が多いので、ただ何となく答えるだけという人も少なくないでしょう。しかし、接続詞やつなぎの言葉は、文の流れや構造を理解する上でとても重要です。
接続詞を制するものは読解問題を制すると言っても過言ではありません。
では、具体的に例を挙げて紹介していきましょう。
接続詞の「つまり」は、具体→抽象という流れを表す
「にんじん、たまねぎ、きゅうり、( ア )、野菜」という文章で、( ア )にあてはまる接続詞は、「つまり」です。「つまり」という接続詞は、具体例を抽象的に言い換えるときに使います。- 具体……にんじん、たまねぎ、きゅうり
- 抽象……野菜
ですから、
例.並線部1について、具体的に説明している部分を本文中から○字で抜き出しなさい。
という問題では、答えは本文中の「つまり」という接続詞(あるいはそれに相当するつなぎの言葉)の前に書かれているはずです。
同じような、働きをするつなぎの言葉には、「~のような」、「~といった」などがあります。
- にんじん、たまねぎ、きゅうり、つまり、野菜。
- にんじん、たまねぎ、きゅうりのような野菜。
このように、接続詞やつなぎの言葉をしっかりと把握することが、文の流れや構造を理解することにつながります。
接続詞の「たとえば」は、抽象 → 具体という流れを表す
逆のケースはどうでしょうか。「スポーツ、( イ )、野球、サッカー、バスケットボール」という文章で、( イ )にあてはまる接続詞は何でしょうか。
答えは「たとえば」ですね。
このように「たとえば」という接続詞は、抽象的なことがらを具体的なことがらに言い換えるときに使います。
「だから」「それで」は、理由・原因 → 結論・結果という流れを表す
国語で出題される問題の1つに、理由を答えなさいという問題があります。本文中から、理由が書かれている部分を見つけ出すわけですが、理由を表すつなぎの言葉には、以下のようなものがあります。
- ~(理由)。だから、…(結論)。
- ~(理由)。それで、…(結論)。
- ~(理由)ので、…(結論)。
ポイントは、理由・原因 → 結論・結果という順番になること。結論に当たる部分の前に理由が書かれているのです。
「なぜなら」は、逆に結論・結果 → 理由・原因という流れを表す
それでは、理由を後で述べる場合はどうなるでしょうか。その場合は「なぜなら」という接続詞を使います。
- …(結論)。なぜなら、~(理由)。
「だから」や「それで」といった接続詞を使った文章とは、逆の構造になるので注意しましょう。
「しかし」は、それまでの内容とは異なる流れを表す
前の文の内容から推測される結果とは少し異なることを述べるときに使う接続詞が、「しかし」です。1.彼は一生懸命勉強した。( ア )、試験に合格しなかった。
2.天気予報では、今日の天気は晴れだ。( イ )、外に出てみると、雨が降っていた。
( ア )にも( イ )にも、「しかし」という接続詞があてはまります。このように、「しかし」は、前の文の内容から推測される結果とは少し異なることを述べるときに使われます。ということは、「しかし」の前と後とでは、書かれていることが少し異なります。
「しかし」の前と後の文章とでは、どちらが重要かというと、後の文章です。「しかし」が文章中に出てきた場合、その後を重点的に読むことが大切です。
国語の問題では、筆者の主張や理由を答える問題がよく出題されます。ただ、やみくもに本文中を探していただけでは答えは見つかりません。
接続詞やつなぎの言葉に着目することで、文章の流れや構造をよく理解できます。このように読むことが読解力向上のカギなのです。
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