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国語読解力をつけるには、文章の要約練習がおすすめ

読解力をつけるには要約練習がおすすめな理由と、その具体的方法を紹介します。読解力とはその文章で言いたいことは要するに何なのかを読み取る力で国語の成績・テストに影響します。読解力を高めるための魔法の向上法「○○字要約」とは?

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

読解力をつけるには、ただ本を読むだけではダメ

読解力をつけるには?読解力を高める文章の要約練習方法

ただ本を読むだけでは読解力は身につきません。読解力が驚くほど向上する「○○字要約」とは?

読解力とは、複雑で長い文章の中から筆者の最も言いたいことをつかみ、要するに何?ということを読みとる力のこと。この読解力を高めるには「〇〇字要約」というトレーニングがおすすめです。

【読解力をつけるには・目次】  

読解力が低い原因は?

「国語の読解力がないのですが、高めるにはどうしたらよいですか?」という質問をよく受けます。それに対して、多くの人が「本を読めばよい」と答えるかもしれません。

しかし、私の視点は違います。そもそも読解力が低い人は、本を読んでも書いてある内容が全く頭に入ってこないのです。そういう私も、小中高校生までは、本を読んでも書いてある内容がほとんど頭に入ってこないという1人でした。

これは「リーディングスパン」という、読みに関する記憶力が弱い人によくある現象です。穴の空いたバケツ(=頭)の中に、水(=読みとったこと)を注ぐシーンを想像してみるとよく分かります。そのバケツに大きな穴があいていり穴の数が多いと、水を注いでも穴からどんどん漏れていってしまい、全然水がたまりません。逆に、穴が小さかったり少なかったりした場合は、注げば注ぐほど、水はどんどんたまっていきます。
そう、前者が読解力が低い人で、後者が読解力が高い人なのです。

ですから、国語の読解力を高めるためには、バケツの穴をふさいでやればいいわけです。ただ、問題なのは「この穴をどうやってふさげばいいのか」という具体的な方法です。
 

国語読解力とは「要するに何?」を読みとる力

読解力とは、簡単に言えば「要するにその文章で何が言いたいのか(書いてあるのか)」を読みとる力です。

新聞にしろ、雑誌にしろ、国語の教科書にしろ、より詳しく説明するために、複雑で長い文章になっているのですが、結局、言いたいことはいくつかに絞られるものです。実際、国語の読解問題では、「筆者の言いたいことは何か」を問う問題がよく出題されますよね。

文章はいくつかの段落からなり、段落はいくつかの文からなり、文は主語と述語からなります。ですから、「主語と述語を正しく読みとること」が読解力の基礎と言っても過言ではないのです。

前置きが長くなってしまいましたが、主語と述語を正しく読みとること、これが「バケツの穴をふさぐこと」、つまり読解力を上げることにつながるのです。
 

国語読解力を高める「○○字要約」とは?

文章の主語と述語を正しく読みとるためのトレーニングとして、「○○字要約」というものがあります。

まずは、例題です。

「動物園で人気者のペンギンは、空を飛べないが鳥である。」※26字

この文を、10字以内(句読点を含む)で要約するとどうなるでしょう。要約するのですから、文の意味を変えてはいけません。また、字数が制限されているので、あまり重要でないことは、削らなければいけません。その結果、必然的に主語と述語だけを見つけだすことになります。

というわけで、答えは
「ペンギンは鳥である。」※10字
になります。
 

読解力向上!文章の「○○字要約」トレーニングで記述式に強くなる

では、この要領で、次に挙げる練習問題を解いてみましょう。

次の文をそれぞれ指定された字数で要約しなさい(句読点を含む)。
  1. 先週と比べ今週は平年より気温が高く、ムシムシした暑い日が続くでしょう。
    35字から15字以内へ要約
  2. ニュージーランドは、面積は日本とほぼ同じなのに、人口は約440万人と少なく、日本の約3%にすぎません。
    49字から18字以内へ要約
読解力つけるには?文章の要約練習問題にチャレンジして国語読解力向上!

国語読解力を上げる「〇〇字要約」にチャレンジ!問題1は15字以内で、2は18字以内で要約しよう

 

「○○字要約」問題の解説と答え

問題1の文の主語は、「先週は」ではなく「今週は」です。そして、今週はどうなるのかというと、「暑い日が続く」のでこれが述語になります。気をつけたいのは、文末表現です。天気予報ですから、文末の「~でしょう」は外せません。

以上から、問題1の答えは「今週は暑い日が続くでしょう。(14字)」になります。

次に問題2の文を要約してみましょう。主語はニュージーランドです。問題なのは、述語です。この文は、ニュージーランドは、面積が日本とほぼ同じということではなく、人口が少ないことを述べた文です。ですから、文中の言葉を使ってまとめるとしたら、「ニュージーランドは人口が少なく、日本の約3%にすぎない。(28字)」となります。しかし、これでは18字を超えてしまいます。

このような場合は、文として重要な部分を残して、補足して説明している部分を削るしかありません。「日本の約3%」という部分は、面積は同じくらいなのにそれとは対照的に人口が少ないということを補足して説明している部分なので、この部分を削ります。

以上から、問題2の答えは「ニュージーランドは、人口が少ない。(17字)」になります。
 

要約練習は、国語読解力の基礎となる

実は、要約文というのは、制限字数が少なければ少ないほど、難しくなります。これは最低限、伝えなければいけないことを残して、いらないことを削らなければならないからです。だからといって、伝えなければならないことまで削るわけにはいきません。

入試で出題される読解問題では、要するに何が言いたいのかは限られています。しかし、それを筆者が遠回しの表現で言い換えたり、例を挙げて説明したりしているせいで、読解力が不十分な人にとって情報量が多くなりすぎてしまい、返って何をどう読みとって良いのかが分からなくなってしまうのです。

ですから、筆者の言いたいことを読みとるためには、いらない部分を削って、それでいて重要な部分だけを読みとる、という練習をすればいいのです。その手っ取り早い方法が「○○字要約」なのです。

慣れないうちは、制限字数を多めにして、そして、少しずつ制限字数を減らしていくと良いでしょう。こうして要約の練習をすることで、読解力の基礎が身に付くのです。
 

読解力を上げる「〇〇字要約」おまけ問題

最後に、読解力を上げるおまけ問題を載せておきますので、チャレンジしてみてください。

■おまけ問題(解答は関連記事のリンクの後)
桃太郎の話を20字以内で要約しなさい(句読点を含む)。
読解力をつける文章の要約練習おまけ問題

国語読解力を上げる文章の要約練習おまけ問題、20字以内で要約しよう。


 
【関連記事】
【おまけ問題の解答例】
解答例1.桃太郎が、犬・猿・キジと鬼を退治する話。(20字)
解答例2.桃太郎が、犬、猿、雉と共に鬼を退治する。(20字)
 
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