美肌マイスターに聞く! 夏の肌トラブルを防ぐ美容医療って?
ガイド:やはり夏は他の季節と比較して肌トラブルが多くなるものなのでしょうか?
やはり夏は肌トラブルの多い季節
安藤院長:はい、多くなります。1年間で最も肌トラブルが多いのは春先ですが、その次に多いのが夏です。一般皮膚科としては汗や紫外線などの刺激による皮膚炎の他に、過剰な皮脂分泌による「脂漏性皮膚炎」などの方が多くいらっしゃいます。
ガイド:「脂漏性皮膚炎」ってどんなものですか?
安藤院長:顔や頭の皮膚が炎症をおこし、赤くかさついたり皮膚がフケ状に剥がれ落ちたりする病気です。通常皮脂は顔に常在している真菌(カビ菌)が分解するのですが、大量の皮脂分泌があると、その分解産物の刺激により皮膚に炎症が起きてしまうんです。この場合は抗真菌薬などで治療します。
美容皮膚科としては、汗、日焼けの悩みの他に、顔のテカリや毛穴の開きを気にされて来院される方が増える季節です。
ガイド:夏特有の症状というと、具体的にはどんなものが挙げられますか?
やはり「汗」は美肌の大敵
安藤院長:夏場はやはり多く汗をかきますから、汗による諸症状が多く起こります。「汗湿(あせも)」は夏の肌トラブルの代表格といえるでしょう。成人の場合、額・お尻・首などの部分に大量の発汗をすることによってより生じます。大量の汗をかいたら炎症を起こす前になるべく早くシャワーを浴びるか、おしぼりで拭いて予防しましょう。また、汗をかいた状態だと日光過敏を起こしやすくなるので、そのあたりの注意も必要です。
ガイド:私もうっかり汗を拭き損ねて毎年生え際が肌荒れします……・
アクセサリーが原因のトラブルも……
安藤院長:それからネックレスやブレスレットなどのアクセサリーによる「接触性皮膚炎」も多くなりますから気をつけましょう。汗の水分によって金属がイオン化して皮膚炎が生じやすくなるんですね。ベルトのバックルなども注意が必要です。症状がでたら金属類を身に着けるのを控えるようにしましょう。ちなみに、合金材料に使われるニッケルやコバルト、クロムという金属がアレルギーを起こしやすいため、純度の高いアクセサリーほどアレルギーは出にくくなります。
夏の肌トラブル、その種類も多い
それから多いのが「エクリン汗嚢腫」です。汗管が拡張し、袋状に嚢腫を形成するために生じます。症状としては目の周りにプツプツとした2ミリ程度の半透明の小結節がいくつも現れてきます。これは涼しくなって汗をかかない季節になると次第に症状が改善してきます。この症状は、保険適応外ですが汗を抑える抗コリン薬の外用などで治療します。
続いてはトラブルとその治療法について伺ってみました!