食パン専門店の「ほんとうにおいしい食パン」
セントル・ザ・ベーカリーで販売されているパンは2斤サイズの食パンが3種類のみ。今後はレーズン食パンも予定しているそうですが、現在は国産小麦のゆめちからを使用した「角食パン」(840円)、北米産小麦の角型「プルマン」(840円)、山型の「イギリスパン」(735円)の3種類が販売されています。普段どのような食パンを購入しているかで、価格に対する印象が違うと思いますが、目安として都内のリテイルベーカリー(小売店)の食パンは2斤で600~760円程度、そしてセントルの食パンの焼き型は一般のものより少し大きめです。
角食パン、プルマン、山食パンが整然と並ぶ。
3種類の中で特筆すべきは「角食パン」。とりあえずはそのままトーストせずに食べてほしいパンです。しっとりとなめらかでふんわり。もちろん、翌日以降はトーストしてもおいしいものです。表面を色づく程度に焼いたものを手で裂くと、生地の層がしなやかに伸びてほどけます。
「角食パン」は北海道産の小麦粉の中でもパンに向くことで話題になっている超強力小麦の「ゆめちから」と麺用小麦の「きたほなみ」をブレンドしたものが使われています。その配合はたんぱく量が製パン的に最もよい状態になるように調整されています。
美瑛の牛乳の販売も。
「プルマン」は北米産の小麦粉で作られた角食パン。「角食パン」と同じ湯種液種製法でも、水分量や湯種になる粉が違います。
これらの食パンは本捏ねをする際、水ではなく脱脂乳を使います。西川さんが経営する北海道の美瑛の牧場では、バターの副産物として脱脂乳ができるので、フレッシュな状態で手に入るのです。これらのパンを開発した牛尾則明さんによれば、脱脂乳は乳糖を含むのでパンの色づきがよくなり、ミミもおいしくなり、小麦粉独特の臭みも取れるのだそうです。
「イギリスパン」はあっさりしていて、角食より薄切りにしてカリッとトーストするのに向いています。生地のおいしさの秘密はバゲット生地が2割入っているということです。
美瑛のバター。夏の牛は青草を食べるので色が濃いイエロー