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不動産広告には「予告広告」と「本広告」がある。

「マンションは、いつ買うのがベストなの?」「今でしょ!」―― まさに、マイホーム市場では買い時感が高まっており、市場全体が活気づいています。住宅ローン金利の先高観や消費増税による購入時期の前倒しなどにより、「売り手サイド」「買い手サイド」いずれもが取引活動を活発化させています。

帝国データバンクが今年の5月に実施した「アベノミクスに対する企業の意識調査」によると、アンケート回答企業の42.3%が「アベノミクスによる景気の押し上げを感じている」と回答。業界別では、不動産業やサービス業で景気押し上げを感じる度合いが高くなっています。また、アベノミクスが自社の業績にどのような影響を及ぼしているか尋ねたところ、不動産業はおよそ3社に1社(32.8%)が「プラスの影響がある」と回答しています。業界別に見ると最も高い数値(結果)を示しており、とりわけ不動産業界がアベノミクスの好影響を受けていることが分かります。

こうした上げ潮ムードに乗り、マンション分譲業者は新規供給を本格化させています。タイミングを狙っていたかのように、いよいよ7月上旬からは総合デベロッパー6社が結集した「東京ワンダフルプロジェクト」(東京・豊洲)が始動します。当該プロジェクトの核となる総戸数1110戸の高層分譲マンション(44階建て)が販売を開始する予定です。

ただ、このタワーマンションの竣工予定日は2015年3月下旬(予定)。入居できるのは1年半以上先になります。そのせいか、広告の物件概要を見ても「未定」や「予定」の文字が目に付き、外観の完成予想図には図面をもとに描き起こしたCGが使われています。「実際とは異なります」と、ご丁寧に注意書きまで記されており、消費者が誤認や誤解を招かないよう、予告広告ならではの配慮がなされています。

本広告に先立ち、販売開始時期をあらかじめ告知するための広告が「予告広告」 

予告広告とは、「分譲宅地」「新築分譲住宅」「新築分譲マンション」「新築賃貸マンション」「新築賃貸アパート」のいずれかで、価格や賃料が確定していないため直ちに取引することができない物件について、その取引開始時期をあらかじめ告知するための広告をいいます。

不動産の表示に関する公正競争規約では広告表示の開始時期に制限を設けており、未完成の宅地や建物は開発許可や建築確認を受けるまで、広告その他の表示をしてはならないことになっています。開発許可や建築確認を受けることで、当該計画の実現性について、少なくとも法的には承認されたことになります。これにより、宅地の開発計画やマンションの建設計画の実現性が相当程度、担保され、消費者の利益を損なう心配が少なくなることで、広告の掲載が認められるのです。

マンション建設の確認申請に際し、申請項目に販売価格や販売スケジュールは含まれていません。申請時点で売り主は販売価格や管理費・修繕積立金などの金額を確定させる必要がないのです。そのため、「未定」のまま広告だけを掲載開始することが可能となり、予告広告には「未定」や「予定」の文字が並びます。

予告広告を上手に活用することで、購入検討の時間的猶予を手に入れられる 

ただ、いくらお墨付き(建築確認)をもらったからといって、公正競争規約による広告表示規制が例外扱いされることはありません。予告広告では次の6事項を必ず表示しなければなりません。

<予告広告で表示しなければならない6つの項目> ~新築分譲マンションの場合~

  1. 予告広告である旨
  2. 価格が未定である旨、または、予定最低価格と予定最高価格および予定最多価格帯
  3. 販売予定時期
  4. 本広告を行うまでは契約または予約の申込みに一切応じない旨、および、申込みの順位の確保に関する措置を講じない旨
  5. 予告広告をする時点において、すべて予定販売戸数を一括して販売するか、または、数期に分けて販売するかが確定していない場合はその旨
  6. 当該予告広告以降に行う本広告において、販売戸数を明示する旨

予告広告を行う場合、その予告広告に係る物件の取引開始前に、その予告広告を行った媒体と同一の媒体を用い、かつ、その予告広告を行った地域と同一またはより広域の地域において、本広告をしなければなりません。予告だけで広告掲載を終わらせることは認められないのです。

予告広告を上手に活用することで、正式販売までの間、他物件の比較や購入検討の時間的猶予を手に入れられます。新築マンションの大多数が青田売りされる現状において、予告広告は貴重な情報源といえます。早期に物件の存在を知る情報ツールとして、予告広告を賢く活用してほしいものです。


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