電気ケトルの安全性
中国茶のお店やネットショップでいつでも買えると思っていた中国茶用の電気ケトルは、ある時期を境に完売、再入荷未定といった表示が目立つようになりました。2001年に電気用品安全法が改正され、電気ケトルのような輸入電気用品は「PSEマーク」を取得しなければ販売することができなくなりました。とはいえ、企業が旧法認可製品をPSE表示にすぐ切り替えができない等の事情を鑑み、旧法表示のまま製品を製造または輸入、販売することのできる猶予期間が5年ほどありました。
PSEマークを取得するには、電気回路が日本の安全基準に合っているかを検査し、細かな決まり事をすべてクリアしなければなりません。この検査を専門機関に依頼すると数十万円もの費用がかかるといいます。もともと日本仕様に作られていない製品は、大幅に改良する必要があり、費用も時間もかかります。そのような理由もあり、猶予期間を過ぎた2006年頃には、いつでも買えると思っていたはずの中国茶用電気ケトルの姿はひっそりと減っていきました。
それから数年、中国茶ファンをはじめ、日本茶や珈琲を自宅で楽しむ人たちの間では、中国茶館にあるような自動加熱機能の付いた電気ケトルはどこで手に入れられるの?という声はずっとありました。
そんな声を耳にしながら中国茶に関わってきた、Teamedia(ティーメディア)の森崎氏が、「中国茶に興味を持った人が、身近なお店で使い勝手の良い電茶壷を適正な価格で買えるように」と、日本仕様の電気ケトルを開発に着手したのは2012年夏のことでした。