アールトの街ユヴァスキュラの観光スポット10選(2ページ目)

街の生活に溶け込むアルヴァ・アールトの建築群＆アールト博物館

フィンランドを代表する近代建築家として日本にもファンの多いアルヴァ・アールトは、ユヴァスキュラに深くゆかりのある人物。幼少期からの日々をこの街で過ごしているだけでなく、大学卒業後には生涯最初の自分の建築事務所を市内に構えていたのです。さらには、妻と毎年1ヶ月の夏休みを過ごしていたのも、ユヴァスキュラ郊外に浮かぶ島の美しい湖畔に自身で建てたサマーハウスでした。

そんなアールトは、大学キャンパスや市民劇場、労働者会館、スイミングプール、村役場など、まさに生涯にわたって、ユヴァスキュラや近郊街のために数多くの公共建築を設計しました。そしてその多くが今でも修復を重ねながら、市民に大切に使われ続けているのです。いっぽうでは、世界各地からこれらの建築作品を見にはるばる訪れる観光客も絶えません。

街には、アールトの手がけた数々の建築プロジェクトやデザインした家具などが一挙展示されているアールト博物館（Alvar Aalto museo）もあり、建築やアールトに詳しくないという人でもこの博物館からスタートすれば、見どころが徐々にわかってきて建築巡りを楽しむことができるはず。アールト博物館ではユヴァスキュラ市内および近郊のアールト建築マップが1ユーロで入手でき、レンタサイクルサービスも行われているので、まさにアールト建築探訪のよい起点となることでしょう。

＜DATA＞
■Alvar Aalto museo（アルヴァル・アールト・ムセオ）
住所：Alvar Aallon katu 7, 40600 Jyväskylä
TEL：+358 40 135 6210
アクセス：ユヴァスキュラ駅から徒歩約20分
開館時間：火～日曜11:00～18:00（7、8月は火～金曜10:00～）
休館日：月曜
入場料：6ユーロ（学生4ユーロ）※6～9月以外は毎週金曜無料

※クローズアップ記事「ユヴァスキュラに残るアルヴァ・アールトの建築」
※ユヴァスキュラ市内および近郊のアールト建築マップ

フィンランド内陸部の文化や歴史がビジュアルでわかる、
中部フィンランド博物館

アールト博物館のすぐ隣りにある中部フィンランド博物館（Keski-Suomen museo）は、建物はアールトの設計によるもの。中では、ユヴァスキュラを中心とする中部フィンランド地方の歴史や文化、地理に関するさまざまな展示を見ることができます。スウェーデン、ロシア両側から距離のある中部フィンランドでは、それぞれからの影響を間接的に受けながらも、独自の文化が育ちやすかったといえます。また、豊かな森林と湖水資源を生かした木材・製紙産業や飲料の製造などで街が豊かになっていきました。こうした内陸部ならではの歴史や文化を、豊富なコレクションはもちろん、ビジュアルで訴えるユニークなジオラマがいっぱい。大人も子どもも気軽に楽しめるミュージアムです。
2017年8月現在、改修工事のため閉鎖中。2019年にリニューアルオープンが予定されています。

＜DATA＞
■Keski-Suomen museo（ケスキスオメン・ムセオ）
住所：Alvar Aallon katu 7, 40600 Jyväskylä
TEL：+358 14 266 4346
アクセス：ユヴァスキュラ駅から徒歩約20分
開館時間：火～日曜11:00～18:00
休館日：月曜
入場料：6ユーロ（学生3ユーロ）※6～9月以外は毎週金曜無料

次ページでは、街を見渡せる丘の上の展望台と、年代の異なる2つの木造教会をご紹介！