ティータイムに一役かってくれる品々
お茶を楽しむ時間の主役は、もちろん茶葉ですが、器やお菓子、雰囲気も楽しみのひとつ。日常の中に、もっとお茶を取り入れたくなる品々も集まっています。やさしくナチュラルな雰囲気の茶席で、茶芸を披露していた喜喜茶のブースでは、ふと横を見るとお茶の名前の札がついた薄茶色の布が重ねてあります。有里工房の、お茶で染めた「茶布」。蚊帳生地や晒のやわらかな風合いは、木製のテーブルによく似合います。
吉田山荘cafe真古館のスイーツは、毎年楽しみにしているファンも多く、無添加、無着色、こだわりの素材、そして幸せな気持ちになれる心遣いが伝わる作りです。中国では古代から福を呼ぶ動物として親しまれてきたコウモリをモチーフにしたシナモン風味のビスケットには、このビスケットがたくさんの福を運んでくれますようにという思いが込められています。
相馬茶陶工房の急須と湯呑みの機能を融合させた便利な器「急須碗」は、一つ一つ異なるフォルム。備前、万古、瀬戸を使い、藁で発色させ、無釉で焼締めているのだそう。様々な色柄、微妙に異なる形は、手に持ってみるとしっくりくるものがどれなのかよく分かります。見た目では分からない微妙な違いは、量産品にはない良さです。取り外し可能な茶漉し付きカップとは違い、飲み口の手前に茶漉しが付いた湯呑みになっています。
木漏れ日が差し込む清澄な空間に響く能管や笙の音色。息を飲むほど優美な姿に、時が止まったように人々は動きが止まります。演奏会とは違い、一人一人に「水無月の祓」を奏でてくれる雅な空間。茶韻に通ずる能管と笙の調べは、風がそよぐたび葉音とのハーモニーとなり、心が洗われるかのようです。
2010年より毎年6月に開催されている京都吉田山大茶会は、茶文化の根付く京都の地で、これまで多くの人々とお茶の縁を結んできました。また1年の月日を経て、来年どんなお茶との縁を結んでくれるのか楽しみです。