高級マンション/注目の高級マンション

高級マンションのリフォーム事例<渋谷区南平台>(2ページ目)

低層マンションは、立地環境の魅力に加え、デベロッパーが緊張感を味わいながら持てる力を発揮するところに物件としての面白みを見出すことができる。厳しい制限のなかで、どんなコンセプトを打ち立て、形にするのか。それはオーナーの住まい方にも相通じるものがあり、もっといえばその後リフォームを手掛ける設計者に降りかかるプレッシャーでもある。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


グランツオーベル南平台

マスターベッドルーム

マスターベッドルーム

「グランツオーベル南平台」(渋谷区)は、渋谷駅最寄とは思えない閑静な住宅地に佇む。2008年竣工。地下1階地上4階建て、総戸数43戸の本格的な低層マンションだ。分譲は有楽土地、設計は東急設計コンサルタント、施工は東急建設である。

この物件のコンセプトは外から見ても一瞬で理解できる。要塞のごとく天然石で覆われた外壁。スリットに空いた窓。重厚な出で立ちを重んじ、採光は最小限に抑えた。印象は内に入っても変わらない。地下階から広がるロビーにはボイドから柔らかな光が差し込み、水景も設えた穏やかな空間である。ゆったりとした広さを確保した内廊下も邸宅感を強く印象付ける。

リビングダイニング

リビングダイニング


風景を映し込むインテリア

“クール”なインテリア

“クール”なインテリア

築浅だが大胆に内装リフォームを施し、家具調度品を一新。コンセプトはスタイリッシュ(格好よさ)を追求した住空間。上の大きな画像はリビングダイニングである。「モルテーニ」のTVシェルフ中央に鏡面のスライド扉が付いているが、そこに写り込んでいるのは「COCOON FIRES」という煙突不要の暖炉。ワインクーラーとしても活用できるそうだ。ソファは「ミノッティ」。床や家具に映り込んだ緑は、低層ならではの景観を室内奥にまで導き、実際の空間以上の広がりを思わせる。

前ページにもリビングの画像を掲示しているが、左側に見える柵の付いた白い凹みが愛犬のベッドルーム。リビング入口の扉は黒檀である。壁側の袖壁はガラスにして玄関に採光を。驚くことに、扉と向き合う袖壁の厚み部分には鏡面仕上げのステンレスを貼り合わせている。専有面積以上のゆとりを生み出し、内廊下に内在する閉塞感を無意識に解放させる巧みなアイデアだ。

「バング&オルフセン」の埋め込まれた(右上画像、左)壁はダークな石を用い、照明をあてて質感を楽しむ工夫を。右奥のダイニングセットもモルテーニだ。ちなみにイタリアの代表的な家具ブランドの売上比較では「カッシーナが135億円、B&Bイタリアの174億円に対し、モルテーニは348億円」(アルフレックスジャパン)。世界のハイエンドに愛されるインテリアを取り揃え、あくまでクールに徹した住まいが完成した。

取材協力:カガミデザインリフォーム

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