番町の魅力
「都心の真ん中」と謳うマンションプロジェクトはいまや珍しくなくなったが、此処ほどその表現がしっくりくるロケーションもないだろう。千代田区は番町エリア。地勢としての特徴は高台であること。区画は至って規則正しく、平屋の家もいまだ散見できるほど住宅が多い。だからだろうか、緑豊かな環境が保たれている。JRや地下鉄の駅、幹線道路といった主たる交通機関の大半が、当該エリアの外側に配された点も、良好な環境を維持できている大きな要因であろう。通り抜けに使われる道も(日テレ通りを除けば)多くなく、閑静といった表現は決して誇大ではない。大使館や学校が点在することもプラスに働いている。
タワーマンションも立ちにくく、また「ホーマット」に代表される建物の高さを抑えた味わい深いマンションが集まる場所もあったりと、人気の理由を洗い出せば、とめどなく湧き出る印象さえ覚える。住まい選びの2大条件「利便と環境」を備えた場所であることはもはや誰も否定しないのでは。
個性が異なる6つの町
番町は、「一番町」から「六番町」まで計6つの町から成り立っている。地図で見れば、同じような街区の集合体ではあるが、最寄駅の違いや街の雰囲気、起伏の差など、それぞれに個性があってその評価にも違いがあるようだ。例えば、交通アクセスに主軸を置くなら、JR中央線の通る「四ッ谷駅」や「市ヶ谷駅」に近い四番町、五番町、六番町が好まれ、落ち着いた環境を優先したい場合は、一番町や三番町が候補に挙がりやすいという。
また、とくに留意しておきたいことは、街並みの規則性が高いばかりに逆に眺望面の期待がそれほど大きくは持てないことだ。これはこのエリア全体に共通している事項である。したがって、列や階によって眺めがどれだけ異なるかは、住戸選びの際にとりわけ注意しておきたい。