香油と精油の違いは?
古代エジプトから伝わる香油は、現代でも愛用されています。
古代より、さまざまな種類の花・果実・葉・茎などから香料として採取され、香料として化粧品などの防腐剤として、また「キフィ」のような、宗教的な儀式の一部として使用されてきました。
一方、「香油」とは、香りのするオイルのことで、精油などの天然香料にキャリアオイルを混ぜて、直接、肌や髪の毛に使用出来るオイルです。
アルコールを使用している香水と異なり、香りの揮発はゆっくりと柔らかく香るのが特徴です。主に、宗教上、アルコールが使用できないアラブ諸国などでは、日常的に使用されています。
精油について
天然香料のほとんどは植物より抽出された精油や樹脂をさします。精油の抽出法としては水蒸気蒸留がもっともよく用いられていますが、熱に対して不安定な精油については、柑橘類のように果皮を圧搾(あっさく)したり、有機溶媒により抽出しているものも存在します。
精油の不思議
天然香料は、農産物であるため、栽培している国や、その年の気候や収穫の時期、また、精油をつくる工場の抽出する状態などによって、同じ精油でも少しずつ香りが異なります。香水への使われ方
アロマテラピーに使用するラベンダーやカモミールなども、香水には多く使われています。
植物性香料は、自然界に存在する、花・果実・樹木・種子などから香りの成分を抽出します。
例えば、ローズ(バラ)やジャスミンや、アロマテラピーなどでも使われている、ラベンダーやカモミールなどのハーブ系も、香水には多く使われています。
アロマテラピーとの違いは、香水は沢山の香料を使い、それぞれのメロディーが1つの音楽になるように、香水もまた、色々な香料を組み合わせることで、色々な表情が浮かび上がります。いわば、芸術品の1つと言えるのではないでしょうか。
香油とは?
香油は、「エジプシャンオイル」「アラビアンオイル」などと呼ばれ、アラブ諸国等で使用されている、香りのするオイルです。香水との大きな違いは、アルコールを使用しない事。アルコールを使わない代わりに、キャリアオイルなどを使用します。
香油は、髪の毛先や、肘や膝、指先などのカサつき・パサつきやすい部分に使用すると、しっとりと潤いのある感触へと導き、更に良い香りのするオイルです。
香油の歴史
香油とは、香りのするオイルのことで、宗教上アルコールを使用しないアラブ諸国を中心に、古くから愛用されています。
当時は、香りを楽しむだけでなく、太陽の日差しで皮膚の乾燥を守るためにも、香油は大量に使われていたそうです。また、博物館では、木でできた軟膏や香水を入れる容器や壁画なども数多く残っています。
エジプトの壁画で、女性が頭の上に帽子のような物を乗せている姿をしたものがありますが、これは当時、社交場に身に着けて出かける際の身だしなみの一部だったそうです。
動物性油脂に様々な香料をブレンドした軟膏で、体温であたためられると少しずつ溶け出し、そのオイルが頭を伝い、体などにも香りが染み込み、周囲に心地よい香りを漂わせていたそうです。
特に、エジプト産のユリ油が入っている「サクディ」は珍重されていたようです。
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