口臭予防だけじゃない。唾液は若返りのキーアイテム
唾液不足は口臭の原因になったり、虫歯の原因になったりすることは今までお話をしてきました。唾液は生きていくのに欠かせない要素です。そもそも、唾液はただの水分ではなく、水分の他に無機成分(ナトリウムやカルシウム、炭酸水素)、有機成分(アミラーゼ消化酵素、ラクトフェリン抗菌物質、IgA免疫物質)などなど、多くの成分が含まれています。これらは、お口の中を潤し消化を促す働きをします。たとえば、唾液が無いと、私たちはお話をする事もできません。話すことで、硬い歯がやわらかいお口の中の粘膜を傷つけてしまうからです。また、口腔内にばい菌が入ったとしても唾液の抗菌作用が働かないと、私たちは病気になりやすくなってしまうのです。唾液に含まれるムチンという成分は、菌を凝集させ、塊にして口内から排出する働きを持っているのです。
健康面で欠かせない唾液ですが、実はお顔を美しくするアンチエイジングパワーも持っているのです。それは、ホルモンと大きく関係しています。唾液腺の一つである、耳下腺にあるパロチンと呼ばれるホルモンは、別名若返りのホルモンだと言われているのですよ。アンチエイジングに詳しい方でも、ノーマークだったなんてことはありませんか。
このホルモンは、食べ物をよく噛むことで副交感神経を刺激することにより放出されます。成長ホルモンの一種で、身体を若々しく作る働きを担っているのです。パロチンがたくさん出ることによって、筋肉・内臓・骨・毛髪などの発育が盛んになり、身体が若返る仕組みです。年を重ねることにつれて、低下していく働きを補ってくれるのです。このホルモンは赤ちゃん~20代半ばまでは盛んに分泌され、若返りの健康食品として有名なローヤルゼリーにも似た成分が含まれていると言われていますよ。
また、副交感神経はリラックスしている時に働く神経ですが、唾液をサラサラにする働きも持っているのですね。サラサラの唾液は口臭予防にもなりますよ。逆に、ストレスを感じた時や、緊張したとき、心配事がある時などに出るネバネバした唾液は、お口の中を健康に保つ働きは弱まっているのです。
では、どうやってサラサラの唾液を出すかですが……簡単にできることをご紹介しましょう。