リーダーシップ/リーダーシップの基本知識

共感という名のリーダーシップ(2ページ目)

「リーダー」というと、文字通りメンバーを統率する人と解釈しますが、組織体の成熟度(=年齢)、規模、競合する組織との力関係などによって、求められるリーダー像が異なります。今号では、今の時代に見合うリーダー像を考えていきたいと思います。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


企業内研修などで、象徴的なリーダーをモチーフに、記事「象徴的なリーダーからリーダーシップを考える」のように、要素還元主義で能力要件や性格要件を整理していくセッションをやるのですが、だからといって、同じことを習慣化できれば、卓越したリーダーになるとは限らないものです。

これからのリーダーシップは共感がキーワードに

「共感」がこれからのリーダーの要件となる

「共感」がこれからのリーダーの要件となる

このような前提でこれからのリーダー像を考えると、「共感」というキーワードが浮かんできます。ガイドの私の中では、「オピニオンリーダー」と言う言葉の持つニュアンスが最も当てはまります。

何かのトピックに、自分なりの解釈や意見がそのテーマに興味や関心がある人々にとって支持されるというものです。以前のような、「命令と服従」という関係性ではなく、「発信と共感」が新しいリーダーシップスタイルと考えられます。

では、「オピニオンリーダー」になるために何が必要なのでしょう。ある分野において卓越した実績を残すことです。まずは与えられた仕事でメンバー間で一番になることです。一番になれば、通常はリーダーに任命されます。次に、リーダー間で一番になることです。同じようなことを繰り返し、気がつくと卓越したレベルのリーダーになっていることでしょう。

例えば、野球でいえば、地区大会→都大会→関東大会→全国大会→プロ野球→大リーグというようにステージアップしていきますね。チームとしても個人としても同じことです。

もう1点、卓越した技能のみならず、特に日本の組織は集団をベースにしているので、人間性と人柄が求められます。いくら卓越した技能を持っていても、人間性が伴っていなければ、チームとして機能しなくなるからです。

つまり、技と心を兼ね備えた、できる・できた人を目指すべきでしょう。
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