その1:選択肢を増やす
いろんな取り組みをしてみることで主体性を増す
たとえば、その行動を「やるのか」「やらないのか」。これも二者択一のままでは、「選ばされる」という受け身のニュアンスが強くなり、時に「脅迫」「強制」となります。同じ「やる」でも、「仕方なくやる」「せっかくだから楽しんでやる」「普通にやる」……と選択肢を広げれば、「選ぶ」ことができます。
「他にどんな考えがある?」
「違った方法で取り組むとしたら?」
「どんな選択肢があるだろう?」
「違うアイディアを思いつきそうなのは誰だろう?」
選択肢を増やす質問には人を創造的にする力があります。
その2:視点を変える
受け身な態度を取るとき、その背景には受け身な視点が隠れています。たとえば、次のような視点の変化を起こすことができれば、人は「主体性」を発揮することができます。
- 問題ではなく、目標に焦点を当てる
- できない理由ではなく、できる理由を考える
- 過去の原因特定ではなく、未来にどう活かすかを考える
- 一人ではなく、共に
「これがうまくいけば、どんな違いを生み出せるだろうか?」
「今、私たちにできることは? 最善策は?」
「どうやったらうまくいく?」
「この件から私たちは何を学ぶことができるだろう?」
「これをうまくできるのは誰だろう?」
その3:不平不満を提案に変えさせる
不平不満には、改善や新しいアイディアの可能性が潜んでいます。しかし、不平不満のままでは何も変わらず、本人だけでなく、聞かされる相手、そして周りのエネルギーさえも下げてしまいます。そこで試してみて欲しいのが、次のような投げかけによって相手の「不平不満」を「提案」に変換することです。
「その問題を改善するには、何が必要だろうか?」
「あなたはどんな変化、取り組みが必要だと考えている?」
「もしそれを提案の形にするなら、どんな内容になるだろう?」
時には、質問ではなく、ストレートに、
「ぜひそのことを提案の形にしてほしい」
と期待を込めてリクエストすることで、相手の「主体性」を引き出すこともできるでしょう。
「主体的」なあり方が育つ土壌をつくるには?
ここまで紹介したように、「受け身」の芽を早いうちに発見し、「主体的」な態度へと導くことと同じくらい大切なのは、先手を打つことです。主体的であるためには、「自分にはできる」という自己効力感が欠かせません。自己効力感を高めるには、次のような関わりが効果的です。
- メンバーの話を徹底的に聞く機会を持つ
- 成果や成長を承認する
- メンバーの成長に関心を向け、それを支援する
- 部下と話すとき、
- 会議でメンバーに話すとき、
- あなたのあり方は今どのくらい「主体的」ですか?