コーチング/モチベーションアップ

主体性を発揮させるには?(2ページ目)

あなたの職場、あなたが率いるメンバーの最近の言動は、「主体的」ですか? それとも「受け身」ですか? 今回は、主体性を発揮させる関わりのヒントを紹介します!

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド


その1:選択肢を増やす

コーチング

いろんな取り組みをしてみることで主体性を増す

主体的な態度は、「たくさんの可能性を探求し、そこから自分で選ぼう」とするときに発揮されます。つまり、選択肢が必要です。

たとえば、その行動を「やるのか」「やらないのか」。これも二者択一のままでは、「選ばされる」という受け身のニュアンスが強くなり、時に「脅迫」「強制」となります。同じ「やる」でも、「仕方なくやる」「せっかくだから楽しんでやる」「普通にやる」……と選択肢を広げれば、「選ぶ」ことができます。

「他にどんな考えがある?」
「違った方法で取り組むとしたら?」
「どんな選択肢があるだろう?」
「違うアイディアを思いつきそうなのは誰だろう?」

選択肢を増やす質問には人を創造的にする力があります。

その2:視点を変える

受け身な態度を取るとき、その背景には受け身な視点が隠れています。

たとえば、次のような視点の変化を起こすことができれば、人は「主体性」を発揮することができます。
  • 問題ではなく、目標に焦点を当てる
  • できない理由ではなく、できる理由を考える
  • 過去の原因特定ではなく、未来にどう活かすかを考える
  • 一人ではなく、共に
このときにも以下のような質問が有効です。

「これがうまくいけば、どんな違いを生み出せるだろうか?」
「今、私たちにできることは? 最善策は?」
「どうやったらうまくいく?」
「この件から私たちは何を学ぶことができるだろう?」
「これをうまくできるのは誰だろう?」

その3:不平不満を提案に変えさせる

不平不満には、改善や新しいアイディアの可能性が潜んでいます。しかし、不平不満のままでは何も変わらず、本人だけでなく、聞かされる相手、そして周りのエネルギーさえも下げてしまいます。

そこで試してみて欲しいのが、次のような投げかけによって相手の「不平不満」を「提案」に変換することです。

「その問題を改善するには、何が必要だろうか?」
「あなたはどんな変化、取り組みが必要だと考えている?」
「もしそれを提案の形にするなら、どんな内容になるだろう?」

時には、質問ではなく、ストレートに、
「ぜひそのことを提案の形にしてほしい」
と期待を込めてリクエストすることで、相手の「主体性」を引き出すこともできるでしょう。

「主体的」なあり方が育つ土壌をつくるには?

ここまで紹介したように、「受け身」の芽を早いうちに発見し、「主体的」な態度へと導くことと同じくらい大切なのは、先手を打つことです。

主体的であるためには、「自分にはできる」という自己効力感が欠かせません。自己効力感を高めるには、次のような関わりが効果的です。
  • メンバーの話を徹底的に聞く機会を持つ
  • 成果や成長を承認する
  • メンバーの成長に関心を向け、それを支援する
同時に、リーダーとしてのあなたのあり方があなた率いるチームや組織のあり方にも影響しています。主体的な部下やチームを率いたいなら、まずは自分が「主体的」であることも必要です。
  • 部下と話すとき、
  • 会議でメンバーに話すとき、
  • あなたのあり方は今どのくらい「主体的」ですか?
より「主体的」なリーダーであるために、何から始めますか?
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