金魚鑑賞、上から見る? 横から見る?
火鉢で金魚を飼育する時の鑑賞ポイント
火鉢で金魚を飼う時の鑑賞方法とは?
金魚を火鉢などで飼い、上から眺めると、横から見た時と違った美しさを堪能できる
しかし、歴史的に見ると金魚が誕生した当時はガラス水槽などはなく、鉢で飼育されていたので、金魚はもともとは上から見て楽しむものでした。したがって、上から見て美しく見えるように多くの品種が改良されていったのです。らんちゅう、土佐錦などはその典型です。その後、ガラス水槽の発達とともに横から見て楽しむ「横見」が一般的になりましたが、金魚の美しさを競う品評会では、今でも上から見た金魚の泳ぐ姿を審査することが圧倒的に多いのです。それは、金魚を上から見たほうが金魚の美しさがより際立つと考えられているからです。
試しに上から金魚を鑑賞してみてください。今まで横から見ていた金魚とは全く違った見え方となり、横見とは違った美しさを感じることができるはずです。これは余談ですが、金魚をテーマに扱う著名な美術作家である深堀隆介さんは、金魚を上から眺め、あらためて金魚の美しさに気付き、以降金魚をテーマにしたアートを作り始めたそうです。
金魚を上から眺める上見(うわみ)
金魚の上見(うわみ)での鑑賞方法
金魚の品評会では、通常上からの美しさを主として審査される。画像は品評会で入賞した更紗和金
まず飼育槽は、火鉢やらんちゅう用の飼育槽、トロ舟などをおすすめします。もちろん普通のガラス水槽でも構いませんが、上から見やすい、水面の表面積が広いものが適しています。一番のオススメは雰囲気の出やすい大型の火鉢です。火鉢に金魚を入れると、普通の火鉢がたちまち風流な金魚鉢へと変貌します。火鉢というとなかなか売ってないように思われるかもしれませんが、インターネット通販やネットオークションなどでは比較的廉価(1万円~3万円程度)で購入することが可能です。
次に飼育槽を置く場所ですが、これはベランダや庭などの屋外に置くことをお勧めします。上見に適した飼育槽は面積が大きいので、室内だと場所をとり、邪魔になりやすいからです。
金魚の上見(うわみ)、飼育上の注意点
らんちゅうや土佐錦等は特に上から鑑賞することでその美しさが発揮される
また、電源が近くになく投げ込み式などの濾過器が使用できない場合は、飼育槽の大きさに対する投入する金魚の数を少なくしておきましょう。濾過器がなくても通常より短期間での水換えをすることによって、十分水質の悪化を防ぐことができます。エアレーションはした方が良いですが、飼育槽に対する金魚の数を少なくしておけば、エアレーションがなくても酸欠になる心配はありません。水温に関しても、屋外飼育では、厳しい寒冷地を除き基本的に放っておいて問題ありません。ただし、直射日光が当たる場所は、夏場に温度が上がり過ぎますので避けるべきです。
なお、屋外飼育の場合、夏場は水が青水(グリーンウォーター)となりえます。適度な青水での飼育は金魚にとっては良いとされますが、青水が濃すぎるとガス病になったり、逆に夜間にはエアレーションをしないと酸欠となったりとリスクも多いので、私は青水飼育は初心者の方には推奨しません。なにより、金魚が青水のためによく鑑賞できずに、また病気の発見も遅れてしまうことに繋がるからです。水が青水となったら水変えを行って対応しましょう。
金魚の上見(うわみ)のおすすめポイント
※この動画では撮影のためエアレーションを外しましたが、普段は投げ込み式の濾過器を投入して飼育しています。この火鉢の大きさは径が55cm、高さが40cm程度です。金魚を複数飼う場合は、エアレーションをするか飼育数を減らすかされた方が良いと思います。
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