ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

体罰教育、体罰育児はなぜいけないか?(3ページ目)

最近、学校、スポーツの場での「体罰」事件がたびたび報道されています。今、どうして体罰が問題になっているのでしょう? また、体罰を受けて育った人はどう感じ、どんな影響を受けるのでしょう?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

体罰を問題視できる社会こそ、豊かな社会

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豊かな社会に必要な条件とは?

昔のように「体罰が当たり前」の世の中であれば、親が子どもを叩いて育てたり、教師が子どもを殴ったり、強い子が弱い子を暴力で従わせたり、上司が部下に暴力をふるって優越感を楽しんだりする光景を見ても、あまり不思議に思わなかったのかもしれません。

しかし、そうしたかつての常識が許されていたら、弱い立場の人が声を上げられずに踏みにじられ、強い立場の人が都合のいい理屈を振り回して横暴な支配を行える、人権を無視した社会になってしまいます。

低い立場の人も力を持つ人も、誰もが自分の考えを主張でき、お互いの人権を尊重し合える社会が、本当に豊かな社会です。一方的な「体罰」で立場の低い人を指導する風潮は、そうした社会を壊すものに他なりません。今、たくさんの人が「体罰はいけない」と問題視し、声をあげられるのは、日本が人権を尊重した豊かな社会に成長しつつある証左でもあると思います。
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