企業のIT活用/販売管理/顧客/コスト管理

商談を管理し、リピート率アップ(2ページ目)

営業プロセスを見える化し、改善することで見積提出率がアップし売上増にむすびつきました。つぎは商談管理と損益分岐点について考えてみましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

新規受注先のキーマンを探る

社長の奥さんがキーマンという場合もある

社長の奥さんがキーマンという場合もある

アドバイザー:
「新規受注先で優良顧客になるかどうかはみきわめが必要で、現在の優良顧客の属性を分析し、同じような属性をもつ受注先に的を絞ったほうがよいでしょう。」

社長:「やみくもではなく集中するわけですね。」

アドバイザー:「新規受注では、つきあいも薄いですしキーマンが誰かを探るのは難しいですね。家族経営ですと、社長ではなく社長の奥さんがキーマンという場合もあります。古典的ですが奥さんの誕生日をおぼえておいて、さりげなく花を贈る営業もいます。」

社長:「確かに、ウチもそうかな。(笑)」

アドバイザー:「大きな会社であれば”いつもカタログを送らせていただいていて、今年も送りたいのですが異動があったかもしれませんので、どなたに送ればよいかお名前を教えていただけませんか”と聞くと、総務がいつも送ってもらっているのならと担当者名を教えてくれる場合があります。」

社長:「なるほど。部署名しか教えてもらえなくても、そこからキーマンを探っていくわけですね。」

アドバイザー:「いきなりキーマンと話ができるのは紹介でもなければ難しく、まずは受付から順番にあたっていく必要がありますね。ただし目標とするキーマンを把握しておけば、どこらへんまで近づいているか把握できます。」

社長:「なるほど。」

アドバイザー:「商談管理票に会社でこれまで面会した人とそれぞれの関係などを図示します。御社の場合、最初のアプローチは相手側から引合がありますので、面談でキーマンは今、面談をしている人なのか、それとも上司なのか商談から探らなければなりません。」

社長:「商談相手がキーマンなのか、他にいる誰かなのか把握するのは、たしかに難しいですね。」

アドバイザー:「取引先ごとに商談管理票をまとめておけば、担当営業が休みでも他の社員が商談管理票を見ることで商談がどうなっているか把握でき、対応できます。」

社長:「担当者が休みなので、明日、かけなおしてくださいと断らなくてもすむわけですな。さっそく取引先ごとの商談管理を実施してみます。」

値下げしても利益は出ない

値下げしても利益は出ない

値下げしても利益は出ない

アドバイザー:
「ぜひ初めてください。それから最初に受注を増やしたいので値段を下げようかとおしゃっていましたが、値下げは禁物です。」

社長:「値下げして、たくさん売れたらよいのでは?」

アドバイザー:「そう考える経営者が多いのですが、値下げすると確実に利益がへります。例えば単価1万円で1,000個売る事業があるとします。売上は1万円×1000個で1,000万円になります。人件費、店舗代など必ずかかる固定費が300万円とし、また包装代など売上に伴って変わる変動費割合が60%とすると売上が1,000万円なので変動費は600万円になります。」

売上=利益+固定費+変動費

売上=利益+固定費+変動費

売上   1,000万円(@1万円×1,000個)
固定費  300万円
変動費  600万円(売上の60%)
利益   100万円

社長:「利益は100万円になるわけですね。」

アドバイザー:「では10%値引きしたのに、想定通りに売れず、同じ1,000個が売れたとします。」

売上  900万円(@9千円×1,000個)
固定費 300万円
変動費 540万円(売上の60%)
利益  60万円

社長:「利益は60万円に減るんですね。」
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