築浅リフォームで見違えるインテリア
新築なのに、自分好みにすべて替える億ション顧客はいつの時代にも存在したが、近年の原価の強弱によってしわ寄せがきた内装を、少し手を入れ居住性をアップさせたいオーナーが少なからずいる。一例をご紹介しよう。「SAION(サイオン)桜坂」は、賃貸から分譲に切り替えたマンションである。立地は都心の真ん中。高台でホテルオークラなども程近い閑静な環境だ。もともと賃貸だったグレードに満足しないオーナーが少なくないのは容易に想像がつくだろう。公式サイトにおいてもリノベーションモデルルームなるものを公開中のよう。
竣工は2009年11月だから、まだ築4年に満たない。リフォームといっても、どこまで手を入れるかが悩ましい。そこで建築家の各務さんは、築浅ならではのポイントをうまく活かし、効率の良い工事でまったくイメージの異なる空間に仕上げた。ポイントは3点。
コストパフォーマンスの高い仕上がり
まず、人を迎え入れる玄関とリビング(一部)に手を加え、空間全体の印象を引き上げた。下の画像をご覧いただこう。玄関は床、収納扉、照明付き飾り棚、ライムストーン(壁)などが主な変更点。だが、たたき部分やシステム収納の扉以外は従前のものを使っている。リビングも壁(天然石)や照明に絞って変更。それでも夜間の居心地は飛躍的に向上した。次に、設備のグレードアップ。壁掛けだった洋室の空調を、高級マンションの定番である天井埋め込み型カセットエアコンに替える。浴室の追い炊き機能やミストサウナも付加。じつはこうした設備の改善も「思った以上に大掛かりな工事は必要なかった」と各務さんはいう。二重床二重天井など昨今のマンションは「基本性能そのものが高いから」。
最後に。部分リフォームは新旧混ざった空間になるわけだが、築浅だけにほとんど違和感が生じないこと。この点に関しては、「サイオン桜坂」の部屋の施主(所有者)の感想をお伝えすることで解説としたい。
居住性、資産性を高めるアイデアは色々なところに隠されている。「現地の仕上げを見ても、どこからどこまでが旧でどこからが新だか分かりませんね。 これは解体を含めて丁寧に工事をして頂いたお蔭と、設計・デザインの段階で 既存との調整や統一性に配慮して頂いたお蔭だと思っています。
築古のリフォームはスケルトンにして総取替えで思い切ったことができる。 但し、部分的なリフォームを築古でやると、使用感のある箇所とリフォーム部分の落差は どうしても出てしまいますね。一方、築浅や新築であれば部分的なリフォームであっても 上手くやれば非常に効果が高いことがわかりました。 築浅・新築のリフォームは資源を無駄にしているのではないかという引っかかりがありましたが、 やってみると費用対効果が極めて高い手法だと思います。 新築リフォームは設備を一度も使わずに捨てるという側面では無駄ですが、 これから20年・30年そこで暮らすことを考えると決して無駄ではなく、 非常にいいお金の使い方だと実感しました。」
【関連コンテンツ】
建築家リフォーム
【フェイスブック】
高級マンション
Copyright(C)2006 MH3 Inc. All rights reserved.