ターニングポイントとしての椅子……『バタフライ・スツール』
(白い)ホリゾントをバックにこのスツールを撮影している。
「まるでお供物の台のようだね!」と声がかかる。
「鳥居のようだ……、‘天’という文字に見えてくるなぁ……」など、とにかく日本やアジアを感じるデザインなのである。
6.5mmという極薄と最小限の3点ジョイントだけで構成されたスツールは、実に軽い。戦後まもない欧米諸国の文化(デザイン)が沢山輸入された時代に、羽根を広げて軽やかに飛び回り、質素で上質、世界に通用していく日本のイメージを描いたのかもしれない。
バタフライ・スツールは、欧米から世界に広まった成型合板の技術と日本の感性が融合されて生まれた近代日本デザインのターニングポイントに位置する椅子なのである。
このスツールは、1957年、ミラノ・トリエンナーレで金賞を受賞した。
■UP#035
Butterfly Stool/バタフライ・スツール
・1954製作/日本
・SIze :W 415 D 340 H 375/SH350
・Material:プライウッド(メープル・ローズウッド)、真鍮
・Designer:柳宗理
・Product :天童木工/日本
・Shop :hhstyle.com
・Price :¥36.750-
少々上目から座面をうかがう、このポイントが一番美しい! (写真をクリックすると、画像が拡大されます。) |
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