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フィンランドの気候・四季と服装アドバイス(3ページ目)

フィンランドは、夏と冬の寒暖差や日照時間の差で見れば、日本よりも四季がはっきりとした国と言えます。夏でも涼しいの? 冬はどれくらい寒い? 極寒下の観光は可能? どんな衣服を持っていけば安心?……聞かぬことには想像もつかないであろう極北国の気候と服装について、現地暮らし目線でアドバイス。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


フィンランドの夏の気候

フィンランドの夏日

爽やかな夏日の湖岸では、Tシャツや水着スタイルで日光浴をしている人を多く見かける。時おり、街中でも水着さながらの格好で入店してくる人がいるのはご愛嬌

6月に入ると白夜の季節が到来し、気温も徐々に上がってきて夏らしさを感じられる日が増えてきます。特に6月下旬の夏至祭以降が、気候的にはフィンランドの夏本番といった感じ。鮮やかな緑が揺れ、真っ青な空に日本に負けないくらいのダイナミックな入道雲が浮かび、人々の顔もきらきらと輝く、文句なしに素晴らしい季節の到来です。湖畔や海岸のビーチは、日光浴や泳ぎにくる人たちであふれ、街中の公園でさえも、水着同然の格好で寝そべっている人が多く見られます。夏の間は、街のそこらじゅうに点在するアイスクリーム屋台も大繁盛(北国ですが、個人のアイスクリーム年間消費量は年間を通して世界有数なのですよ)!

ヘルシンキ(フィンランド南部)およびソダンキュラ(ラップランド)のここ数年の6月の月間平均気温は、プラス13~16度/プラス9~14度前後。同じく7月の平均気温は、それぞれプラス17~20度/プラス13~16度くらいと年間最高を記録し、8月になるとプラス16~17度/プラス9~12度前後と、再び落ち込み始めます。

アイスクリーム屋台

夏の間は、街のアイスクリーム屋台はどこも大繁盛!

ただし、夏の日中に限って言えば、フィンランドと言えども中南部では25度以上を記録する日も少なくなく、30度を超える日もしばしば(2012年の夏は例外的な零下に見舞われ、ヘルシンキで20度を超える日も数えるほどでしたが)。とはいえ、フィンランドは低湿気候で、体感的に日本のような「うだる暑さ」を経験することはほとんどありません。ある程度気温が上がってもからっと爽やかで、汗をそんなにかかなくてすみます。朝夕に冷え込むのは夏でも相変わらずなので、衣類でうまく調節しましょう。

天気は良好な日が多いですが、夏場の日中は、日本のゲリラ豪雨よりも激しい瞬間的な夕立に見舞われやすいのが特徴。空にやや灰色がかった巨大な雲が湧いてきたら、要注意です。フィンランド人は、低湿ゆえに濡れてもすぐ乾くし臭わない、という発想でどんな強雨でも傘をささない人が意外と多いのですが、観光客には折りたたみ傘の携帯をおすすめします。

フィンランドの夏の服装チェック

夏の装い

夏の気候の受け止め方は、現地人でも人それぞれ。素肌で日差しを受け止めたい人は露出を恐れず、寒がりさんや紫外線を気にする人は、適宜薄手のアウターを重ね着して。また、日中のサングラス着用はマスト

夏の服装は、南国リゾートに行くときと変わらない軽装をベースに、冷え込みあるいは日焼け対策として、長袖カットソーや羽織れるものを携帯すればOK。ラップランド地方に赴く場合は、さらにもう少し暖かさを重視する必要があります。海水浴または湖水浴、スパ・サウナリゾートを楽しみたいなら、水着も重宝するでしょう。

森の蚊

森に生息する蚊は目に見えて大きく、刺されると腫れや痒みが数日間残ってしまう

そして白夜の季節は終日頭上から強い日差しが降り続くので、何よりも日焼け対策はしっかりと。網膜を保護するためにサングラスの着用は必須ですし、帽子の着用も欠かせません。また、夏の間は森や湖畔にビッグサイズの蚊が大量発生しているので(緯度が上がるほど被害が大きい)、自然の中に分け入る際は、肌の露出を避けたほうが無難です。

ちなみに、日本では猛暑のピークといえば8月ですが、フィンランドは8月に入ると早くも気温が下降を始めるのでご注意を。ラップランド地方からは、早ければ8月の終わりには初雪だよりが届きます。

次ページでは、フィンランドの秋の気候と服装について解説!

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