マラッカの世界遺産とその見所

マラッカ川沿いのショップハウス群

マラッカ川沿いのショップハウス群。壁いっぱいに絵が描かれている。マラッカ川ではリバークルーズを楽しむこともできる

マラッカ、スタダイス

出窓がユニークなスタダイス

マラッカで世界遺産に登録されているのは、セント・ポールの丘やオランダ広場を中心としたマラッカ川東岸部と、チャイナタウンや各種寺院、ショップハウスが連なる西岸部だ。簡単にその見所を紹介していこう。

■オランダ広場、マラッカキリスト教会
マラッカのランドマークがオランダ広場だ。1753年に建てられたマラッカキリスト教会を中心に、ヴィクトリア女王に捧げられた時計塔と噴水、風車、花壇が立ち並び、カラフルなトライショー(サイドカー付き自転車)でにぎわっている。

■スタダイス
オランダ語で「市庁舎」を意味する旧オランダ庁舎。1650年代に建てられたもので、19世紀に赤く塗り替えられた。イギリスやマラヤ連邦も庁舎として使用していたが、現在は歴史博物館として公開されている。

 

■セント・ポール教会
セント・ポール教会

天井が落ちているセント・ポール教会。個人的にはとても好きな空間だ

ポルトガル人が1521年に造った教会で、イエズス会士フランシスコ・ザビエルはここで活動を行い、日本の武士ヤジロウ(アンジロウ)と出会い、日本に向かったという。また彼の遺体は9か月間ここに安置され、のちにインドのゴアにあるボム・ジェズ教会に移された(世界遺産「ゴアの教会群と修道院群」に登録)。

■サンチャゴ砦(ファモサ)、マラッカ砦
ポルトガルは1511年にマラッカを落とすと、セント・ポールの丘を城壁で取り囲み、4つの門を設置して要塞を建築した。サンチャゴ砦は現存する唯一の門だ。マラッカ川沿いにはマラッカ砦があり、こちらにも複数の砲が設置されている。

 

■マラッカ・スルタン・パレス
ババ・ニョニャ・ヘリテッジ

ババ・ニョニャ・ヘリテッジ。ショップハウスは中国式、イギリス式、折衷式など多彩な様式があるのでぜひ比べてみよう

マラッカ王国初代国王パラメスワラが建てた王宮を復元したもので、当時と同じように、木を組み合わせて造られている。一帯は文化博物館、マレー庭園として公開されている。

■ババ・ニョニャ・ヘリテッジ、各種ショップハウス
中国系移民の男性をババ、女性をニョニャという。彼らはマレー、中国、ヨーロッパの文化を混ぜ合わせ、ババ・ニョニャ文化(あるいはプラナカン文化)を生み出した。その象徴がショップハウスで、日本の長屋のような細長いハウスが折り重なってひとつの街や通りを作っている。代表的なハウスがババ・ニョニャ・ヘリテッジで、内部が博物館として公開されている。

 

■チェン・フー・テン(青雲亭)、シャン・リン・シー(香林寺)
マラッカ、チェン・フー・テン

鄭和を称えて建てられたというチェン・フー・テン(青雲亭)

1646年に建てられたチェン・フー・テンはマレーシア最古の中国寺院。仏教の観音菩薩、道教の航海・漁業の神様・媽祖(まそ)、儒教の氏神などを祀っており、多宗教が融合している。隣接する香林寺は仏教の阿弥陀如来を祀っている。

■カンポン・クリン・モスク、カンポン・フル・モスク
カンポン・クリン・モスクは1868年に建てられたイスラム教のモスク。三角形の3層屋根はスマトラ式、内部の柱はコリント式、窓はアンコールの連子状窓、ミナレットは中国式仏塔に似て、他文化融合の様子が見て取れる。一方カンポン・フル・モスクは1728年建立のマレーシア最古のモスクだ。

 

■スリ・ポヤタ・ヴィナヤガ・ムーティ寺院
マラッカ、ツカン・エマス通り

ツカン・エマス通り。左がヒンドゥー寺院、右の塔がイスラム・モスク、その先に中国寺院がある

1781年建立のマレーシア最古のヒンドゥー寺院。残念ながら異教徒は内部を見学できない。チェン・フー・テン、カンポン・クリン・モスク、そしてこの寺院はいずれもツカン・エマス通りにある。仏教・道教・儒教の寺院、イスラム教のモスク、ヒンドゥー寺院が至近距離に並んでいるのも、この辺りではそう珍しいことではない。

■セント・フランシスコ・ザビエル教会
フランシスコ・ザビエルの功績を称えて1849年に建てられたネオ・ゴシック式の教会。ステンドグラスが非常に美しい。教会の前にはザビエルとヤジロウの像が立っている。