企業のIT活用/販売管理/顧客/コスト管理

営業プロセスの見える化でモノが売れない原因を探る(2ページ目)

モノが売れないと値下げをしたら売れるのではと考えてしまいがちですが本当に価格だけの問題でしょうか。中小企業の多くは受注までの営業プロセスを見える化していません。見える化によってモノが売れない原因を探りましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

営業プロセスから改善ポイントをみつけよう

アドバイザー:「実際の数字で計算すると引合数 300、見積提出数 80、受注数 50ですので見積提出率は27%、受注率は63%になります。では売上を上げるには先にどちらの数字を改善すればよいですか。」

社長:「どう考えても見積提出率ですねえ。」

アドバイザー:「引合数など他の条件を変えずに、見積提出率を27%から32%に5%改善すると売上は20%伸びることになります。」
見積提出率を改善すると売上が20%のびる

見積提出率を改善すると売上が20%のびる


社長:「なるほど引合から、いかに見積提出まで持ち込むか商談が勝負なんですね。」

実施した対策は書きとめておく

コンビニと同様、行った対策を書きとめて、結果をチェックする

コンビニと同様、行った対策を書きとめて、結果をチェックする

アドバイザー:「担当者ごとの数字を見て、見積提出率がほかのメンバーより高い人がいれば、商談でなにか一工夫しているはずですので、それを聞き出してください。ただ本人はそのことに気がついていないこともあります。」

社長:「なるほど。」

アドバイザー:「そして社長は行った対策と日付を必ず記録するようにしてください。うまくいく対策もあれば、効果がなかった対策もありますので、見積提出率がどう変化したのかも必ず記録してください。」

社長:「それもエクセルでまとめます。」

アドバイザー:「コンビニでは、商品の配置や商品ごとの組み合わせなど仮説を立て、棚に並べる商品やレイアウトを変更します。そして結果をPOSレジで確かめます。御社の場合も仮説をたて実行し、結果を見積提出率で把握します。重要なのは改善プロセスを記録に残すことです。うまくいかなったのなら、なぜうまくいかなったのかを皆で議論して次につなげてください。」

中小企業の営業現場では、千本ノック(千軒を訪問)など情緒的なやり方がまだまだ主流です。営業プロセスそのものに改善点がないかという目で、ぜひチェックしてみてください。

次は取引先ごとに商談を管理しましょう。→ 商談を管理し、リピート率アップ

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