分譲マンションレポート/大久保恭子の分譲マンションレポート

【取材レポート】センチュリーフォレスト(4ページ目)

渋谷区鶯谷町にある、住宅公団(UR都市機構)の建て替えマンション「センチュリーフォレスト」を見学しました。緑豊な住環境に恵まれた鹿島建設のブランドマンション。シンプルな外観からは想像しにくいのですが、内観共用部はまるで美術館のアプローチのような、デザインが統一された空間デザインが圧巻でした。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

<物件見学レポート5>
外観、共用部、室内のデザインが一貫していて破綻がない


 室内の仕様は、100平米以上と100平米未満で区別されています。ここでは100平米以上の住戸についてお伝えします。

玄関ドアを開けると、側面の壁はエントランスと同じ大理石のトラバーチン、床はアイボリーのタイルで、外観、共用部分のデザインが室内に至るまで一貫性を持っているのです。バルコニーの床面のタイルもリビングのアイボリーのタイルと同系色にするという徹底ぶりです。

壁は白の塗装仕上げ(100平米未満の住戸はビニールクロス)です。壁面に凸凹がなく滑らかでないと、塗装仕上げは美しく仕上がりません。こうしたところに施工技術の高さが現れています。

ダイニング

ダイニング。白い塗り壁、床はベージュのタイルにじゅうたんと、室内は白とベージュで統一されています。

また、各居室の木製ドア以外、廊下、水回り等のドアはすべて壁と同色の白。派手なきらびやかさではなく、簡素で品のある、飽きのこないデザインと住空間を形成しています。センチュリー(100年持つ)な意匠といえるでしょう。

「センチュリーフォレスト」は設計、施工は鹿島ですが、デザイン監修をアーキサイトメビウスが担当しています。この会社は、「パークマンション六本木」や「岡本レジデンス」も手掛けており、都心高級マンションのデザインスタイルのひとつのあり方を提案しています。

キッチンのシンクは職人さんが打って形づけしてあり、使いやすくなっています。システムキッチンはタカラスタンダード、オーブンレンジはリンナイ、トイレ、浴室はTOTOと水回りの設備はすべて日本製です。豪華に見せるために外国製の設備を多用するマンションとは一線を画しています。日本の設備は、デザイン、技術ともに世界最高水準に達しています。何より日本人の体形に合わせた使いやすさを追求しているわけですから、あえて外国製ではなく日本製を選ぶ見識を感じます。
キッチン

100平米超住戸のキッチン仕様は、扉面材はチーク突板、天板は本磨き仕上の黒御影石。

選択肢の多い都心で子育てしたい共働き家族に適したマンション

このような立地と建て方のマンションなので、都心で子育てする共働き家族に向いているように思いましたが、実際の入居者は30~50代の子どものいない夫婦が多いとのことでした。見学時には、数人の小学生しか見かけませんでした。職業は弁護士、会計士などの専門職が多いとのことです。

総戸数244戸中123戸は事業協力者住戸で、そのうちの半分は協力者は住まずに完成直後から賃貸に転用(100平米住戸の賃料の目安は50万円)されていることも影響しているのかもしれません。


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