<物件見学レポート3>
地震に強く、丈夫で長持ちするセンチュリーな構造・性能
「センチュリーフォレスト」は平成23年10月下旬に完成し、11月下旬には入居が始まっているため、実際の建物を見ることができます。「構造」といえば、東日本大震災の記憶や、首都圏直下型地震の予想等々地震の不安が常につきまとう昨今、多くの人が一番気にするのは耐震性でしょう。このマンションは免震構造です。本来、超高層マンションに採用される免震構造を7階建て中層のこの建物にも採用した用心深さは、住み手にとって、安心材料のひとつといえるでしょう。また、次に示すとおりその他の性能面においても一定の水準を確保しています。周辺の緑だけではなく、建物の寿命や住み心地もセンチュリー、つまりメンテナンスすれば100年程度は持つ、といえるでしょう。
構造や性能については、建物内にあるモデルルームやパンフレットなどで説明を受けることができます。専門的な用語も出てきますが、構造は人間の体にたとえると、骨格と筋肉にあたります。これが丈夫でなければ、健康で長生きはできません。また、気に入らないからといって独力で作り変えることができないものです。地味な部分ではありますが、マンションの生命線となるものです。
<物件見学レポート4>
豪華ではなくシンプルで飽きのこないセンチュリーな意匠
同社が売主・施工のマンションの意匠には共通点が見られます。2008年に完成した「加賀レジデンス」「マスタービューレジデンス」と「センチュリーフォレスト」を見比べてみると歴然としています。それは、表面に過剰な装飾などをほどこさず、構造体そのものを美しく見せる設計を試みていることです。機能美を追求したデザインといえるでしょう。「センチュリーフォレスト」の外観はアイボリーに近いベージュのタイルを使用し、最上階はガラス素材を多用していますが、それ以外はいたってシンプルです。存在を主張するために、過剰な装飾を施し、周辺の街並み景観から浮き上がってしまう建物を多く見慣れている目には、一見簡素すぎて、そっけなく感じられます。
ところが、よくよく見ていると、建物をとりまく周囲の環境、空の青や、樹木の緑との対比のなかで際立つ容姿となるよう、巧みに計算されていることが分かってきます。衣服にも共通しますが、足し算ではなく引き算のシルエットで勝負するデザインのほうが、作り手の力量がためされるように思います。
1階のエントランスからロビー、エレベーターホールにいたるまでの壁は外観と同系色の左官調仕上げ(左官屋さんが多くのコテを使って、色々な模様を作り出す手のかかった仕上げ)の塗り壁を中心に、一部に大理石エキストラトラバーチンを使いアクセントをつけています。床もアイボリーに近い御影石、その上に敷かれたカーペットも同じアイボリー。エレベーターから住戸までの共用廊下も1階同様アイボリーに近いタイル、それと同系色のカーペット、壁は白、廊下の窓にかかるスクリーンも白。余計な色はいっさい使わず、徹底的にすっきりと統一されています。
エントランスの内外とも、アイボリー系の優しい色でまとまっています。
こうしたアイボリーと白で統一された共用空間の装飾は、彫刻と植物です。彫刻はこのマンションのために、わざわざ制作されたもので、エントランスと各6棟の1階エレベーターホール付近に設えてあります。公共建築や大規模なオフィスでもないマンションに、なぜオリジナル作品が可能なのでしょうか。鹿島は、2年に1回、彫刻と建築空間が融合した空間づくりを目指して「KAJIMA彫刻コンクール」を開催しています。そこで発掘したアーティスの作品発表の場としてマンションのエントランスやロビーを提供しているのです。
植物は5棟の建物をつなぐ100メートルのロビーの端にシマトネリコなどを植え、まるで並木道のように仕立てあげています。樹木の植えられた部分の天井はライトコート(光に井戸)になっており、光を受けた緑の美しさが目に心地良く、しかも樹木が枯れないように配慮されています。
エントランスホールにあるラウンジ。色やデザインが統一された空間には重厚感があります。正面壁に見えるのが、「KAJIMA彫刻コンクール」で選ばれた作品です。
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