3.45mの階高がもたらす住空間
工法は、順梁アウトフレームである。階高が3.45mあるために、バルコニー側の軒先(梁下)と天井の高さはほぼ同じ。天井埋込み型エアコンは平らな天井にすっぽりと収まった。サッシ高は2.3mである。外側の柱さえ目に入らなければ、壁式構造かと思うほどのすっきりとした居住空間だ。ワイドスパンに2.6mの天井高(リビングダイニング。最上階は3m)。もし、マンションの価値を推し量る尺度に「専有面積に対する開口部の面積の割合」という基準があったとしたなら、この物件は相当上位にランクされるはずだ。そして、南東側は皇居の緑が眺望を彩る。北西側はお濠を隔てているため、それでなくとも大開口による採光上の懸念はさらに少なく、こちらも見晴らしも良さそうである。
あえて言うとすれば、暮らす上ではひょっとするとやや明るすぎと思う場面があるかもしれないことか。また、バルコニー手すりがすべて透明ガラスなため、場合によってはプライベートルーム前の目隠し対策を要することになるかもしれない。いずれにしても、未体験の長所から生ずる心配事ではあるのだが。
パークコート千代田富士見ザタワーの見どころ
共用部の見どころは、HBA(ハーシュ・ベトナー・アソシエイツ)が手掛ける1階エントランスホール「グランドホール」から、3階へつながる吹き抜けを多用した展開である。ホールから階段を上がって、ライブラリーコーナーからラウンジ、そしてコンシェルジュカウンターのあるロビーが、壁を隔てること無くゆるやかに連携し、2層から3層に、上へ先へと広がっていく。この吹き抜けは、お濠に面した北東の桜並木をいろんなポジションから眺めるために設けられたものであろう。第1期(11月10日~17日)は255戸を供給する。価格は4,999万円~。最高額住戸は181.48平米の4億4,980万円で、すでに引き合いがあるのだとか。最多価格は9,100万円表示だが、ボリュームゾーンは1億1,000万円台・2,000万円台が中心帯になるという。
そんな売行き状況(見込み)を聞いて思った。ペントハウスに、南北を貫く、面積にして300平米を超えるくらいの住戸はできなかったのだろうか。南に広大な緑を臨み、一年中日の沈む風景が楽しめる。そんな条件の叶う高級タワーマンションは、今後もう出てこないかもしれないから。
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