千差万別の価値基準を前提に
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ただ、昨今の住宅市場における資産価値偏重の傾向を見ていると、大前提は変わらないまでも、時代の変化に応じて、需要側の求める条件が偏ることも否めない気がする。少子高齢化が進む中、莫大な国の借金をどうするのか。マスコミに言われなくとも、誰だって将来の自己防衛手段を意識せざるを得ない。
防災もそのひとつ。東日本大震災以後、大地震に対する備えがあらためて問われている。そもそも「知らないことが多い」ことが分かった。関係省庁や地方自治体には、たくさんの資料が用意されていた。地盤情報、液状化予測マップ、表層地盤増幅率などその存在をはじめて知ったという人も多いだろう。
豪雨による被害も近年の特徴である。数十mもの地下から一気に山が崩れ落ちる「深層崩壊」は都心では起こらないが、東京の地形は起伏が多く、斜面は至る所にある。地震も多発したことから、がけ崩れに対する知識も最低限は身につけておきたいところだ。
「最強マンション」 防災指標は10項目
防災には、以下の10項目を選んだ。・津波(国土交通省「津波ハザードマップ」)
・液状化予測(東京都「液状化予測図」)
・表層地盤増幅率(防災科学技術研究所)
・急斜面地危険崩壊(東京都「土砂災害危険箇所マップ」)
・洪水ハザード(東京都「洪水ハザードマップ」)
・木密整備地域(東京都年整備局「木密地域不燃化特区制度」)
・低層(都市計画法・用途地域「第一種低層住居専用地域」)
・耐震性(免震、制振または耐震等級2を取得)
・都心近接(山手線の内側、山手線の内側以遠環状7号の内側)
・災害時の対応力(階数と非常用電源強化の有無)
各項目を2ないしは3段階にわけて点数付けを行った。段階ごとの点差は、項目の意味合いによって変えた。たとえば、液状化現象はライフラインの寸断という大きな被害に至る可能性があるが、表層地盤増幅率は揺れやすいかどうかを示す指標であり、同じだけの差を設けるには値しないと考えた。