起業・会社設立のノウハウ/会社設立・登記、物件選びの方法

起業時のオフィス・店舗の探し方と契約交渉(4ページ目)

起業の失敗事例で特に多いのがオフィスや店舗選びの失敗が原因というケース。例えば、身の丈以上の物件の賃料が負担になり、起業後1年で立ちゆかなくなるというような場合です。こうしたことは事前に正しい知識を身につけていれば、防げるものが多いと感じます。起業時のオフィス、店舗選びについて、正しい知識を身につけましょう。

中野 裕哲

執筆者:中野 裕哲

起業・独立のノウハウガイド

契約交渉のコツ

オーナーとはwin-winの関係で

オーナーとはwin-winの関係で

起業の成功確率を上げるためにも、少しでも有利な金額条件で、少しでも良い物件を契約したいものですよね。そのためにも、最後に契約交渉のコツについてお話しておきます。

■表示されている賃料の意味
物件情報に表示されている賃料ですが、2種類の意味合いが混ざっていることをまずは意識しましょう。物件情報サイトなどで賃料は同じように並んでいますが、実はオーナーの考え方により、2種類の意味合いがあります。
  • 最初から許せる下限の賃料を表示しているケース
  • 値引き交渉を見越して、表示上は少し上乗せしているケース
の2つです。また、他のテナントさんにも配慮して、表向きは高めに表示しているだけという場合もあります。

これを見極めるためにも、サポートしてくれている不動産仲介会社には、その物件ごとに想定される底値賃料を聞くようにしましょう。相場観も養われます。

■希望賃料予算の伝え方
また、最初に不動産仲介会社に検討したい物件の条件を伝えるときには、実際の予算よりも少し高い賃料の条件を提示しておきましょう。こうしておけば、ある程度、物件が決まった時点で値引き交渉にも入りやすくなります。

逆に最初から予算通りの低い賃料を伝えてしまうと、値引き以前に、どこか物足りないそれなりの物件の情報しか教えてもらえないことになってしまいます。

■いつから空いているか、必ず確認
良さそうな物件の情報を入手した時点で、いつから空いているか、徹底的にインターネット上で検索しましょう。情報更新前の古いチラシなどに前の借り主の退去予定時期が掲載されていることもあります。そして、2ヶ月以上空いているような物件であれば、オーナーさんとしては賃料が入ってこなくて困っている可能性が高いため、なんらかの値引き交渉のチャンスがあると思われます。

■必ず2つ以上に絞る
1つの物件に惚れ込み、1点集中で交渉するのではなく、交渉前には必ず、本命と対抗、2つ以上に絞りこんだことを告げてから交渉に入りましょう。しかも、交渉で条件が折り合えば、すぐにでも契約する意思があるくらい気に入っているということを明確にするのです。こうすることで、サポートしてくれている不動産仲介会社も本気で交渉に乗り出してくれるはずです。

■あくまで不動産仲介会社とオーナーは味方に
最後に重要な点が一点。交渉するとはいっても不動産仲介会社とオーナーさんを敵に回してはいけません。あくまでもwin-winの関係を保ちつつ、お互いの妥協点を見いだすということが重要です。こちらが一方的に得をするだけという考え方では、まとまる話もまとまらなくなってしまいます。入居後にもいろいろと協力してもらうことができるように、良好な関係を保ちつつ交渉することを心がけましょう。

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