おもてなし上手になる10のアイディア
美味しい料理と自分らしい気配りで素敵なおもてなしを
少人数でテーブルを囲むものから大勢の人が集うパーティー形式のものまで、海外の映画やドラマでよく見かけるおもてなしのシーン。料理をはじめ、器やインテリアの隅々にまで気が配られた空間に人々が集う様子は、食べる喜びと、その喜びを分かち合う喜びに満ちています。美味しい料理を囲んで大切な人たちと語らうおもてなしの時間は私たちの人生をより豊かにしてくれるに違いありません。
とはいっても、料理に自信がない、部屋が狭い、食器が足りない、準備が大変そう……などなど、自宅にゲストを招いてもてなすことへの不安は誰にでもあるもの。でもそんな不安は、ちょっとしたアイディアとゲストへの気遣いがあれば解決できることばかり! ここでは季節や行事、イベントに応じておもてなしをいかに楽しく演出するか、「おもてなし上手になる10のヒント」をタイムテーブルと共にお伝えします。
<目次>
- アイディアその1:おもてなしの成功は準備にあり
- アイディアその2:おもてなしのテーマを決める
- アイディアその3:招待するゲストはギャグがウケる4畳半以内?!
- アイディアその4:おもてなしの予算は無理のない範囲で行う
- アイディアその5:メニューは当日に楽ができるものにする
- アイディアその6:器やクロスを合わせてテーブルイメージを作る
- アイディアその7:買い物はインターネットを利用してみる
- アイディアその8:さりげない気遣いを込めて居心地良い空間を作る
- アイディアその9:片付けの時間におもてなしをもう一度楽しむ
- アイディアその10:おもてなしノートに楽しかった時間の記録する
- 無理をせずに自分らしいおもてなしをしよう
アイディアその1:おもてなしの成功は準備にあり
使おうと思っていたメイン食材が当日に売り切れていた、デザートのブランマンジェがお開きの時間まで固まらなかった、途中でトイレットペーパーが切れた……など、数え切れないほどの失敗を重ねてきた私がおもてなしを成功させるために一番大切だと思うこと。それはなんといっても「事前の準備」です。招き招かれ、数え切れないほど経験してきたおもてなしから学んだ準備の仕方をタイムテーブル形式にまとめてみました。タイムテーブルはおもてなしの「前日までにすること」「前日にすること」「当日にすること」の3つに分けてリストアップしています。これに自分なりの項目も足してチェックしながら準備を進めて、おもてなし当日はゲストと一緒に料理とおしゃべりを思いっきり楽しんでください。
アイディアその2:おもてなしのテーマを決める
おもてなしのタイムテーブル例
おもてなしをしようと決めたら、まずはひとつ「テーマ」を作ってみましょう。テーマが決まると、料理のメニューをはじめ、使う器やクロスやテーブルセッティングの想像を膨らませやすくなります。
季節の行事はもちろん、たとえば、イタリアン、エスニック、和食など、国や料理のジャンルをテーマにするのも楽しいですし、カレーを作りすぎちゃったから友達を呼んでカレーパーティー、大事なサッカーの試合を見るために集まろう、海外旅行のお土産を渡す代わりに持ち帰った食材で料理を作っておもてなししよう、実家からたくさんの野菜が届いた、珍しいワインが手に入った、ずっとほしかった食器をやっと手に入れた……など日常の些細なことが、おもてなしにつながるとっても素敵なテーマになります。
また、ゲストに事前にテーマを伝えておくと、テーマに沿った手土産を選べたりと、おもてなしへのワクワク度が高まります。
アイディアその3:招待するゲストはギャグがウケる4畳半以内?!
手作りカードと手書きの地図でご招待
おやじギャグとお酒が大好きな私の友人は、自分のギャグが全員に聞こえる4畳半以内で飲み会を開くのがルール。全員が一つの会話の輪に入れる範囲で食事を楽しんでいます(ギャグが寒過ぎて4畳半以内のごく数人しか笑わないという説もありましたが)。テーブルについてみんなでゆっくり食事とおしゃべりを楽しむには4人~6人がベスト。はじめは自分があまり緊張しなくてすむ親しい人たちをもてなしましょう。
招待したいメンバーが決まったら「お伺いメール」を出します。はじめから来てほしいゲストが全員集まれる日時を設定するのは難しいので、日時の候補を3つほど提案し、集まれるゲストが一番多い日時に決定するといいでしょう。
お伺いメールの返信があって日時、会費など詳細が決定したら、自宅の場所なども記載して改めて招待状を出すのが親切です。時間に余裕がある場合は手作りカードを自宅の地図と一緒に郵送するのも素敵。おもてなしへのゲストの期待度がぐっと上がります。
アイディアその4:おもてなしの予算は無理のない範囲で行う
意外と悩むのが食材や飲み物にかかるお金のことです。いくらおもてなし好きといっても毎回すべてを自分ひとりで負担していたのでは破産してしまいますものね。日時のお伺いメールの返信が来ておおまかな人数が決まったら予算を決めましょう。お世話になった方にお返しをするという特別な場合以外は、自分もゲストにも負担がかからない額での会費制にするのがスマートです。料理は、お金をかけずとも心をこめれば素敵なごちそうになります。食事と飲み物を含めて1人2000円から3000円もいただけば立派なおもてなしテーブルになるでしょう。
また、いただきものの食材がたくさんあって会費をもらわない場合でも「お酒・おつまみの持ち込み大歓迎♪」の一言を招待状に添えると、ゲストが各々飲みたいもの・食べたいものを持ち込んでくれますよ。
アイディアその5:メニューは当日に楽ができるものにする
テーマが決まったらメニューを考えましょう。前菜(サラダ)メイン(肉・魚料理)ご飯もの(パスタ、お米etc.)デザート(スイーツ)を軸に、お酒を飲むゲストが多いときはおつまみ系の料理を追加したり、デザートの代わりにご飯ものを2品用意したりと、ゲストやテーマに沿って調整します。料理の数はランチでは3~4品、ディナーは4~5品が人の記憶にも残りやすくベストです。そして、メニューを組み立てるときに一番大切なのは「当日のおもてなし最中の調理をいかに少なくするか」ということ。ホストの自分は料理に忙しくてほとんど席に座れず、気がつけば料理も食べていないしゲストと話もできなかった!なんてことになったらさみしいですものね。
マリネや煮込み料理など「前日や事前に作り置きができる料理」の他、肉料理や魚料理でも「オーブンに入れてほっとける料理」、事前に仕込みをしておいて「焼くだけ、炒めるだけで完成する料理」を上手に組み込んで、自分もおもてなしを楽しむ余裕が持てるメニュー作りをしましょう。
アイディアその6:器やクロスを合わせてテーブルイメージを作る
器やカトラリーをひとまとめにしておくと当日のセッティングが楽
おもてなしの大半の時間を過ごすテーブル。料理を考えながら、盛り付ける器やクロスを選んでテーブルをコーディネートすると素敵です。
料理は存在感のある大皿に盛りつけて各々が好きな分量だけ取るスタイルにすればゲストには取り皿を1枚用意するだけでOK。食器やグラスを最小限にしておけば洗いものも少なくなって片付けが楽になります。ゲストの人数に対して取り皿が揃っていなくても、おもてなしのテーマにそって色や柄を選んでいけば素敵にまとまります。
調理をしてテーブルにそのまま出しても様になるお洒落な鍋やフライパンは器としても使えます。また、クロスや色が入ることでテーブルを華やかに演出できます。テーブルランナーやランチョンマット、ペーパーナプキンはクロスよりも気軽に取り入れやすいアイテム。お気に入りをいくつか持っていると便利です。
決定した器やカトラリー、クロスは、前日にトレーにのせるなどしてひとまとめておくとおもてなし当日のセッティングがスムーズに進みます。
アイディアその7:買い物はインターネットを利用してみる
メニューが確定したら作っておきたいのが買い物リストです。実はおもてなしで一番大変なのは「買い出し」です。少人数のおもてなしでも、必要になる食材や調味料は意外にかさばりますし、必要な食材が1つのスーパーですべて手に入るとは限らないもの。車や自転車、あるいは徒歩であちこち重たいものを買い物して回るのはけっこう疲れます。そんなときは、おもてなしの味方! 自宅まで配送してくれるネットスーパーやネット通販を上手に利用しましょう。おもてなし前日の午前中に届くように買い物予約をしておけば、万が一買い忘れがあっても、新鮮さが命の魚は自分の目で見て当日に購入したい場合でも、直前の買い物がずいぶんと楽になります。
アイディアその8:さりげない気遣いを込めて居心地良い空間を作る
外食だと食べた料理や器まですべて覚えているわけではないのに、自宅でのおもてなしでは、料理はもちろん、集ったメンバー、部屋の雰囲気や楽しかった空気までが、何年たっても色あせずに思い出に残るのはなぜでしょう。きっとホストのさりげない気遣いやこだわりの演出がゲストの心にやさしく素敵な記憶として刻まれるのだと思います。かける音楽に、部屋の香り、さりげなく飾られた季節の花、キャンドル、ゲストの席次カードや当日のメニューが一目でわかるメニュー表なども素敵なツール。さりげない小物に感性やゲストへの気遣いを込めて、訪れる人に楽しく居心地良く感じてもらうことができたら最高ですね。
アイディアその9:片付けの時間におもてなしをもう一度楽しむ
片付けも幸せな時間
でも、ゲストが帰った後のひっそりとした空間に残る散らかったテーブルが私は嫌いではありません。料理がすっかり食べつくされて空になった皿やグラスを見ると、もう一度「ごちそうさま」「楽しかった」と言われているようでちょっと嬉しくなるのです。食事を共にしたり、お酒を飲んだりして楽しい時間を共有できる友人がいることに感謝しつつ、洗いものをしながら思い出し笑いしたりして(怖いかしら?)、もう一度おもてなしを楽しんでいます。
アイディアその10:おもてなしノートに楽しかった時間の記録する
思い出が詰まったおもてなしノートは宝物に
当日に料理を出す順番を書き留めてキッチンの隅に置いておけば備忘録にもなって料理の出し忘れも防げますし、「あのときの料理をまた食べたい」というゲストの嬉しいリクエストにも、料理とレシピをすぐに思い出せます。ゲストの好き嫌いを書き留めておくことも次回のおもてなしでの気遣いにつながります。
【おもてなしノートに記録しておくと便利なこと例】
ゲストの名前、買い物リスト、料理メニューとレシピ(引用したレシピ本名とページなども)、合わせたお酒、使う器とテーブルコーディネート、料理を出す順番、おもてなしのときに着た服、ゲストとの会話や約束、料理への反応、ゲストの好き嫌いetc.
無理をせずに自分らしいおもてなしをしよう
大切な誰かと共有することで美味しいものがもっと美味しく、誰かと過ごす時間がかけがえのない特別な思い出になるおもてなし。無理をせず、自分らしい気配りで、みなさんがご家族やご友人と素敵な時間を過ごせますように。【関連記事】