「パークリュクス神楽坂」好立地ならではの客層
「パークリュクス神楽坂」は地下鉄「神楽坂」駅から徒歩2分。神楽坂通りに面する好立地である。果たしてどれくらいの値段で売るのか、どんな売れ方をするのか注目していたが、正式価格発表ではまさに人気の高さを象徴するような販売スケジュールが公開された。第1期では総戸数48戸中、42戸を供給する。登録期間は7月26日(木)から28日(土)の3日間のみ。9割近くを売り出しながら、通常は1週間程度設ける登録期間を大幅に短縮している。しかも、第1期2次「ご希望住戸アンケート」も28日(土)締切とある。つまり、第1期の抽選で運悪くはずれてしまった人に、その場で次の希望を伺い一気に完売させる予定なのだろう。
この現場は6月9日からモデルルームを公開。「6週間で来場が270件。広告はほとんどしていません」と説明するのは所長の一原さん。「なかなか出ない場所。待っていたという人が多いですね。パークリュクスシリーズには珍しく、投資目的やセカンドニーズのお客さまが少なくありません」。しかし、それにしても高い歩留り率(申込み者/来場者)想定である。
2列のペンシルマンションに盛り込んだアイデア
販売価格は坪単価にして@360万円前後。最低価格は3,490万円~。つまりほぼ全戸が、シングル市場の壁(上限の目安)といわれる3,500万円以上の値付け。これだけの立地だから何も驚くことはない、といわれそうだが、立地評価だけでこの高い歩留り(予想)を納得するのは早計だ。右の画像「パークリュクス神楽坂」の平面図をご覧いただこう。ワンフロア4戸で2階から最上階(13階)まですべてこの割り方である。A~Cタイプが1LDK、Dタイプのみ2LDK。まず着目してもらいたいのが柱の位置。通常、角にくる柱を住戸間や視界に邪魔にならないところに置いた。限られた空間で少しでも開放感が感じられるよう、構造面から工夫を施しているのがわかる。
次に、コア部分の構造を強固にし、外周部は扁平梁とガラスで構成している点に注目。さらに、ガラスカーテンウォールながら一部に片開き窓をはめ込んで通風に配慮したために、サッシュの黒い線が増えたデメリットを、外に大きく張り出した梁とモノトーンの外壁タイルとの縦横のバランスをもって、デザイン的な融合をはかり、個性的な外観に仕上げたところはペンシルマンションの新たな境地を開いたともいえよう。竣工した暁には、きっと“層塔”のような見栄えのする建物になるのではないだろうか。どれほど見栄えがするものなのか、完成が待ち遠しい。