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ファイル転送サービスとは? セキュリティ性と注意点

ファイル転送サービスは、重たいファイルをメールに添付して送る場合などに便利ですよね。おくりん坊や宅ファイル便、ギガファイル便など様々な種類がありますが、セキュリティに関しては大丈夫なのでしょうか。企業で活用する場合の安全性と危険性をサービスの比較と合わせてみていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ファイル転送サービスなら容量の大きなファイルを送信可能!

大容量ファイルを送る時はファイル転送サービスを使いましょう

大容量ファイルを送る時はファイル転送サービスを使いましょう

重たいファイルをメールに添付して送る場合、受取先の企業が容量制限していると受取拒否となりエラーで戻ってきます。そもそも1MBを超えるようなメールを送るのはマナー違反です。

容量の大きなファイルはファイル転送サービスを活用しましょう。企業でファイル転送サービスを活用する場合の注意点をみていきます。
 

     

メールソフト「Thunderbird」のFilelink機能が便利

メールソフト「サンダーバード」には「Filelink」という機能があり、サンダバードから直接大容量ファイルを送ることができます。

ただしメール添付ではありません。まずオンラインストレージにファイルがアップされ、ダウンロードするためのリンクを相手に送信する仕組みで実質的にはファイル転送サービス。ふだん使っているメールソフトから直接、ファイル転送サービスが使える点が便利です。

サンダーバードでは”Yousendit”などのオンラインストレージを使っています。サンダーバードでFilelinkの設定をしておくと、自分が設定した容量よりも大きなファイルを送る時にFilelinkの利用をアナウンスされます。ボタンを押すだけでファイルがアップロードされ、相手に送るアドレスが表示されますので、説明を加えてメール送信すれば終わり。

メールが届いた相手は、メールに記載されているリンクをクリックしてダウンロードします。気をつけないといけないのが海外のオンラインストレージを使っているので、送るファイル名は日本語名ではなく半角のファイル名にしておくこと。ユーザが削除するまでファイルは保管されます。
 

ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」

重たいファイルは宅ふぁいる便で送る

重たいファイルは宅ふぁいる便で送る

複数の重たい画像データなどを送る時に便利なのが宅ふぁいる便。1999年6月にサービスを開始した老舗です。もともとは大阪ガスの社員がメール添付でなんとか重たいファイルを取引先や大学に送りたいと、当時、ネットで流行っていたグリーティングカードをヒントにシステムを考えました。

グリーティングカードはカードそのものではなく、カードがあるページのアドレスを電子メールで相手に送り、相手はアドレスをクリックして贈られたグリーティングカードを見る仕組みです。このカードをファイルにできないかと考えました。宅配便のように伝票を書いて、荷物を運んでもらうイメージから宅ふぁいる便と名づけ、開発は大阪ガスグループのオージス総研が担当しました。

当初は大阪ガスの社員向けサービスでしたが、取引先などに口コミで広がり、一般に公開されました。宅ふぁいる便の運営は大阪ガスグループのオージス総研が行っています。

宅ふぁいる便は、無料で使うことができメルマガや広告メールなどの広告収入で成り立っています。アップロードしたデータは大阪ガスグループのデータセンターにあるサーバーに保管されます。一回に送信できるファイルは最大10ファイルまで、ファイル容量は最大300MBまでで保存期間は72時間(3日間)です。

2007年1月から有料の法人向けサービスであるオフィス宅ふぁいる便が始まっています。会社で活用することを考え、宅ファイル便の手軽さを残し、セキュリティ機能を充実しています。例えば情報漏洩防止として、上長などの第三者が送信内容のチェックを行うことができるようになっています。

送信時にワンタイムパスワードが設定されますので、途中で盗み見られてもパスワードが破られない限り、大丈夫です。相手に送った・届いていない、というトラブルはオプションサービスですべての送信履歴や送ったファイルを参照することで解消できます。
 

ファイル転送サービスは他にも!

宅ファイル便以外にも無料で活用できるファイル転送サービスがあります。

データ便 会員登録不要で100MBのファイル送信ができます。
おくりん坊 会員登録不要で500MBのファイル送信ができます。

他にもDropboxなどオンラインストレージを使ったファイル共有サービスを使えばファイルの受け渡しができます。ファイル転送サービスのような有効期間はありませんので、一過性ではなく恒常的にファイルをやり取りする場合に便利です。
 

ファイル転送サービス活用時はメールアドレスに注意を

ファイル転送サービスに潜む危険性

ファイル転送サービスに潜む危険性

ファイル転送サービスを活用で、気をつけないといけないのが送信メールアドレスの記載ミス。

送信するアドレスを間違えてエラーになればまだいいのですが、間違って誰か知らない人にファイルが届いてしまったら大変。ヘタしたら企業機密が漏れてしまいます。送信するメールアドレスは、手打ちするのではなくアドレス帳からコピー&ペーストするようにしましょう。
 

ファイル転送サービス比較表

  利用料 ファイル保管期間 最大容量 特徴
ThunderbirdのFilelink機能 無料 ユーザーが削除するまで   海外のオンラインストレージのため送信ファイル名は半角のファイル名にする必要あり
宅ふぁいる便 無料 3日間 送信可能容量は最大300MBまで 会員登録なしでも一回に最大10ファイルまで送信可能、会員登録をすると同時送信やアドレス登録などが可能に
宅ふぁいる便ビジネスプラス 月額500円(税別) 10日間 送信可能容量は最大50GBまで ワンタイムパスワードの設定などセキュリティ機能が充実
オフィス宅ふぁいる便 100ユーザーで月額17000円 1時間~365日まで指定可能 送受信とも1GBまで(有料の追加契約で3GBまで) 追加費用がかかるが、送信履歴と送信実ファイルを全てバックアップする機能も
データ便 無料 1時間~3日の間で指定が可能 会員登録不要で100MBのファイル送信が可能。会員登録で300MB(アンケート回答で500MB)まで。 ダウンロードに際しパスワード設定も可能
データ便ビジネスプラン 月額300~500円(税別) 30日間 送信容量無制限 専用サーバ完備。受取BOXなども利用できる
おくりん坊 無料 個別に保存日数の設定が可能 会員登録不要で500MBのファイル送信が可能。会員登録で2GBまで送信可能 アップロードを行うにはAdobe Flash Player のインストールが必要
おくりん坊Biz 100ユーザーで月額30000円(税抜)から   サーバー容量は40GBまで。1ユーザごとの容量は最大1GBまで 追加費用がかかるが、独自ドメイン取得や独自SSL取得も可能
 

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