企業のIT活用/IT経営の基礎知識

iPadでばれる会社のレベル

iPadは2010年1月に登場したタブレット型コンピュータ。個人での利用と大企業での一部利用が始まっていますが、機動力のある中小企業こそ導入し、営業ツールとして活用しましょう。様々な利用シーンをみていきます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

iPad登場

iPad登場

iPad登場

iPadは2010年1月に登場したタブレット型コンピュータ。以前からタッチパネルPCがあり、コンビニやスーパーの検品や在庫管理に使われていました。ただパソコンに比べ高いこともあり一般にはほとんど普及していません。

そこへiPadの登場。iPhoneなどと同じ指による操作方法が導入され、使いやすいユーザインタフェースから大ヒット。他社からも様々なタブレット型コンピュータが発売されています。

※アップルは1993年にニュートンという携帯情報端末(PDA)を出していました。手書き入力機能を採用した革新的な端末で、脚光を浴びましたが商業的には失敗。ニュートンはスティーブ・ジョブズがアップルに戻る前に出された製品です。

iPadは個人での利用が中心で、大企業での導入が一部始まっています。機動力のある中小企業こそ導入し、新しい営業ツールとして活用しましょう。

リフォームの打ち合わせに必要なカタログをiPadにいれてしまう

リフォームの打ち合わせに必要なカタログをiPadに

リフォームの打ち合わせに必要なカタログをiPadに

お客さんからリフォームの問い合わせがあった工務店。

工務店へお客さんに来店してもらえるなら、壁紙、フローリング、キッチンなど用途ごとに作られた分厚いカタログは事務所備付けのものを使えばすみます。反対にお客さんのところへ出向く時は必要となるカタログを段ボールに積みこまなければなりません。カタログの数が多く大変な作業になります。

カタログをiPadに入れてしまえばカタログを車に積んだり、お客さんのところへ運ぶ作業から開放されます。カタログを作っている建材メーカーからPDF形式でデータをもらえるのなら、iPadにそのままカタログデータを格納。

紙媒体でしか手に入らなければScanSnapなどのポータブル・スキャナーを使って電子化。ScanSnapで読み取ったデータは、JPEGやMicrosoft Office文書以外にPDFで保存することができます。
→ ジャストインタイムが情報収集の極意 ScanSnapを紹介しています

データをPDF形式にすれば、iBooksやi文庫HD(有料アプリ)で直接閲覧できます。本棚にカタログが並びますので、お客さんにiPadを使ってカタログを見せながら商談することが可能。

今まではお客さんが興味をもったカタログページに付箋をつけ、工務店に帰って見積書を作成する時にカタログページをコピーして後日、お客さんに渡していました。少し重くなりますがAirPrint対応プリンターを持参すれば、iPadからお客さんが選んだページをそのまま印刷することができます。

あらかじめ背表紙にお客さんの名前とリフォーム資料と書いたクリアファイルを用意し、印刷したページを入れて渡せばお客さんの印象を深くできます。

工務店以外にも商品点数が多く、打ち合わせや商談にたくさんのカタログが必要な業態ではiPadの導入がこれから必須になります。

製造業の商談会で設備を動画で見せる

設備を動画で見せる

設備を動画で見せる

発注企業と受注希望企業をマッチングする商談会が全国各地で開催されています。受注希望企業は発注企業に対して自社の会社や設備の説明を会社案内、パンフレットなどを使って行います。

会社案内は2、3枚程度で、設備については「80トンプレス機 2台」など一覧で書かれているだけ。写真はありません。少し熱心な企業は今まで作った部品などを持参し、精度などを説明します。

発注企業は商談会で説明を聞き、興味のあった企業へは後日、仕事を出しても大丈夫な企業か見学にいきます。数多くの会社間のマッチングを行う商談会では商談時間が30分などと決まっており、その間に受注希望企業は効率的に情報を出し自社への発注を獲得しなければなりません。

百聞は一見にしかずという言葉があります。iPadを使って説明するより見せましょう。会社の外観や工場の様子などを写真に撮り、iPadに整理して入れておきます。発注側では品質管理の面から基本的な5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)ができているかもよくチェックします。クリアデスクになっている事務所の様子、仕掛り在庫、部材などがきっちり整理されている状態を写真に撮ってiPadに入れておきます。

設備は動画で撮影します。設備が動いているところを見せれば、発注側はどんな設備で、どれぐらい使われており、どれぐらいのロットに対応できそうか検討がつけられます。ラインの幅もわかりますので、どれぐらいの大物ができそうかも把握できます。

小売や卸などでも動画は有効です。お客さんのコメントが取れるのであれば、お客さんに実際にしゃべってもらい動画で撮影しましょう。一番のプレゼンになります。
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