税金/住民税

扶養控除の廃止・縮小で住民税はどうなる?(2ページ目)

平成24年度分の住民税は「年少扶養控除の廃止」や「特定扶養控除の縮小」で重税感が増している人も多いのではないでしょうか。住民税の基本とあわせて、どこがどのように変わったのか、14歳の中学生と16歳の高校生がいる家庭の実例を使って解説します。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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従来の住民税の年少扶養控除と特定扶養控除とは

実際の税額計算の場合には、所得税の所得控除より住民税の所得控除のほうが小さいので、その分を考慮に入れる必要があります。下記は従来の住民税の扶養控除です。
  • 0歳~15歳の住民税の年少扶養控除 : 33万円
  • 16歳~22歳の住民税の特定扶養控除 : 45万円
所得から所得控除が差し引かれ課税所得が算定されるまでのイメージ図

所得から所得控除が差し引かれ課税所得が算定されるまでのイメージ図

税の仕組みは所得税も住民税も、所得から所得控除を差し引いて課税所得金額を算出し、その課税所得金額に税率が課せられます。その際、所得税は超過累進税率が採用されますが、住民税の所得割の税率は一律10%です。

年少扶養控除の廃止や特定扶養控除の縮小で住民税はこうなる

具体的には平成23年の所得税の税額計算が変更になったことを受けて、下記のように住民税も年少扶養控除が廃止され、特定扶養控除が縮小になりました。
  • 住民税の年少扶養親族の扶養控除 33万円→廃止
  • 住民税の特定扶養親族の扶養控除 45万円→33万円へ縮小
例えば、14歳の中学生と16歳の高校生がいる家庭をケースとして取り上げます。
従来であれば
  • 14歳の中学生……33万円の住民税の年少扶養控除の対象
  • 16歳の高校生……45万円の特定扶養控除の対象
であったものが、それぞれ
  • 14歳の中学生……33万円の所得控除の額が0円
  • 16歳の高校生……45万円の所得控除の額が33万円に
になります。つまり0歳~15歳までの子どもがいる家庭は所得控除額が一人当たり33万円減り、16歳~18歳までの子どもがいる家庭は所得控除額が一人当たり12万円減るので、結果として、所得金額が同額であった場合には、住民税の所得控除の減額分だけ、税率が課せられる課税所得が大きくなり、住民税の負担が増えるという仕組みです。

14歳の中学生と16歳の高校生がいる家庭の場合、所得控除額が
  • 33万円+12万円=45万円
減るので、
  • 45万円×10%=4万5千円
所得金額が同額であったとしても、住民税が増えることとなります。

所得控除が減る分、課税所得が増えるという税の仕組みを理解することが住民税の算定の上でも重要です。


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