「違い」が生み出すストレス

コーチング

あたり前だと思っていることがあたり前でない

先日、海外駐在から一時帰国中の某企業の方とお話する機会がありました。駐在先は日本でも人気の高い国。さぞやエキサイティングな体験を聞けるだろうとわくわくして耳を傾けていると、

「結構大変なんです」

その方曰く、海外駐在員のほとんどがストレス状態にあるというのです。その一番の原因は現地スタッフや取引先との「違い」。

例えば、会議一つとっても取り組み方が違います。現地スタッフたちにとっては、会議とは全員が新しいアイディアを持ち寄ってお互いにプレゼンテーションしながら相手を論破する場。彼らに言わせれば、

「なんで日本人は意見を言わないの?」
「情報共有だけしている受け身の集まりなんて意味はない」

など日本人社員の仕事の進め方やコミュニケーションスタイルに反発してくるというのです。

このように、海外駐在員の方の多くは、同じような課題、もしくはストレスを抱えています。改めて「海外で国籍や文化的背景の違う人たちと仕事をするのは大変なことなんだ」と思うと共に、実は私たちも同じようなことを日々違った形での「違い」というものに直面しているように思います。

今回は、「違い」とどう向き合うか、私たちが向き合うべき日々の「ダイバーシティ・マネジメント」にスポットを当ててみましょう。

 目に見える「違い」と見えない「違い」

海外に駐在したり、グローバル企業に勤めていなくても、実は私たちは日々「違い」の中に生きています。

例えば、雇用形態の違い。

働き方の多様化に伴い、社内でも正社員、派遣社員、アルバイトなど雇用形態の違うスタッフがチームとなる中、勤務形態や待遇、仕事へのモチベーションの「違い」がコミュニケーションやチーム運営の障害となるケースも増えています。

また、こうした「異文化」「国籍」「雇用形態」などの目に見えやすい「違い」とはもっと身近でもっと複雑な「違い」が職場には存在します。それは価値観や性格、考え方など表面上はわかりにくい、内側に存在する「違い」。
具体的には
  • 仕事に対する価値感(仕事をする上で何を大切にするかなど)の違い
  • 仕事の進め方(チームでやるか、一人でやるか。まずは行動か、計画かなど)の違い
などがこれに当たります。

目に見える「違い」は自然と意識することができるので、「違うのだからしょうがない」と受け入れたり、「ではその違いをどう埋めるか、活かすか」という思考に比較的なりやすいものです。

一方、目に見えない「違い」はともすると意識されないため、無意識に相手と自分は「同じ」であると思い込み、「なんでわかってくれないんだ」「なんでうまくいかないんだ」とストレスや不満、不和の原因になりかねません。

うまくいかない上司、ちょっとやりにくいあの人、扱いにくい部下、少し足を運ぶのが億劫な取引先の担当者…。

でも、こうした違いがそもそもなぜこんなにも私たちのストレスになるのでしょうか? まずはその原因を背景を探ってみましょう。