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地震保険で、保険会社は儲けてる?(2ページ目)

前回に続き、地震保険への素朴な疑問の第二弾。「巨大地震でも、保険金はホントにもらえるの?」「地震保険で、保険会社は儲けてるの?」など、地震保険に関しては、その内容よりもイメージで語られがちなもの。実際のところはどうなのでしょうか。以下、よく耳にする素朴な疑問を事例で解説していきます。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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また巨大地震がきても、保険金の支払いは本当に大丈夫なのか?

6兆2千億円までは法律により支払いは保証されている

6兆2000億円までは法律により支払いは保証されている

Q.8 首都直下型地震の東京都の被害想定は112兆円。地震保険金なんて支払われるはずないよ。

A. 確かに、首都直下地震の経済被害は112兆円に達するとされています。ただし、これはあくまでも地震による経済被害全体の話で、地震保険金が支払うべき支払い総額ではありません。

後述しますが、現在、地震保険金総額の支払上限額は2014年4月現在7兆円となっています。今震災を振り返ると、1兆2000億円を超える地震保険金が支払われていますから、総額が7兆円となると、かなりの被害を見込んだ保険金の上限といえるでしょう。


Q.9 1回の地震での保険金総支払限度額は7兆円?お金が全然足りないんじゃないの?
A. 1回の地震で政府や保険会社が支払う保険金総額には上限額が設けられますが、これは地震保険契約の伸びとともに徐々に増えてきました。最近では、2014年3月31日まで6兆2000億円が上限とされていましたが、2014年4月1日より、7兆円に上限額がアップされています。

一方、私たちに支払われる地震保険金の支払いの原資となる責任準備金残高は、平成21年度末には約2兆3000億円でした。ところが今震災で1兆2000億円を超える地震保険金が支払われたため、現在では責任準備金は半減してしまいました。

それでも、これから先に大震災が起きた場合であっても、総額7兆円までの保険金の支払いは、法律によって保証されています。責任準備金が保険金の支払いに不足するとしても、政府は補正予算を組むことで、また保険会社は政府や銀行への借入れなどで資金調達することで、地震保険金が支払われることになっています。

つまり、現在の法律の下、今後巨大地震が起こり、大きな損害が発生した場合でも、7兆円までは保険金が支払われることになります。

Q.10 大地震が起きたら保険会社が潰れちゃうんじゃないの?そしたら保険金は支払われないよね?
A.通常の保険契約では、契約先の損害保険会社が経営破たんした場合、受け取れるべき保険金が影響を受けることがあります。たとえば、火災保険の契約先の損害保険会社が破たん、それから3カ月間に保険事故等が起きた場合には、受け取れるべき保険金は削減されません。ただし、破たんから3カ月経過以降は、受け取れるべき保険金が8割に削減されます。したがって、契約先の損害保険会社が破たんしたら、それから3カ月以内に他の保険会社で契約をし直しておかなくてはなりません。

ただし、地震保険に関しては別。契約先の損害保険会社が経営破たんしても、支払われるべき地震保険金に影響はなく、契約通りの保険金が支払われることになっています。


まとめ
東日本大震災では、1兆2000億円を超える巨額の地震保険金が支払われました。現在、1回の地震で支払われる保険金の総額は7兆円が上限と、さらに巨額の設定がなされています。地震保険金は、私たちの支払った保険料の大半が積み立てられた責任準備金があてられます。責任準備金が不足したり、仮に地震保険契約をしている損害保険会社が経営破たんをしたとしても、法律により7兆円までは保険金が支払われる約束となっていますから、その点は心配無用、ということです。

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