仙台ではおよそ100棟が「全壊認定」

分譲マンションには被災時、難しい問題が

分譲マンションには被災時、難しい問題が

東日本大震災によって、仙台では100棟以上のマンションが、自治体により全壊と認定されたといわれています。こうした状況で建物を修繕、あるいは再建するとき、分譲マンションは一戸建てとは異なる難しい問題をはらんでいます。

それは、マンション建物を修繕、あるいは建て替えをするにせよ、一定の住民の同意が必要となる点。区分所有法上は、建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要ですし、解体についてはそもそも同法の規定がないため住民全員の同意が必要となり、合意形成には困難が伴います。

仙台市宮城野区のあるマンション(189戸)は、東日本大震災で自治体による全壊認定を受けましたが、所有者全員の解体合意が非常に短期間でなされた、非常に珍しいケースといわれています。そこには、建替費用が約30億7千万円(1戸当たり約1600万円の負担)かかるうえ、調査から工事完了まで3年かかり、解体は約2億5千万円~3億円で、工期が8~9か月、さらに修繕には地盤改良が必要で、費用がどれだけかかるかわからないといった実情があったようです(参考:河北新報 “焦点”2011.8.6)。

解体工事は公費負担でも、補修・建替費用はマンション住民負担

阪神・淡路大震災と同様、東日本大震災の被災住宅についても解体工事については公費負担となりましたが、それが差し引かれても重すぎる建て替え費用の負担に、気の遠くなる人も少なくないはずです。

終の棲家として購入する人も多い分譲マンションですが、被災時には分譲マンションはこのような大変難しい問題をはらんでいる、ということをよく踏まえておくことが大切です。被災時でも、住民の費用負担をできる限り抑え、安心してマンション修繕や再建に至るためには、やはり前もって資金準備が必要なのは言うまでもありません。ここで頼りになる有力な選択肢は、やはり地震保険です。

次は、マンション管理組合が負担する地震保険料について