個人賠償責任保険、保険会社や加入方法で損得に違いは?

損害保険の中でも、保険料が安いわりに補償範囲が広く、私たち個人の日常生活に関わる損害賠償事故全般を補償するのが、個人賠償責任保険(または個人賠償責任補償、日常生活賠償など)です。

日常生活に関わる損害賠償事故全般を補償するのが個人賠償責任保険

日常生活に関わる損害賠償事故全般を補償するのが個人賠償責任保険


※カッコ内に異なる名称を併記していますが、損保会社や保険商品で名称が統一されていないためです。

別記事「なかなか使えるぞ!個人賠償責任保険」でも触れていますが、個人賠償責任保険を取り巻く環境・状況は変わってきています。その点も踏まえて、今回は加入先や加入方法などに絞って解説していきたいと思います。

個人賠償責任保険って何?

本題に入る前に、個人賠償責任保険の基本的なところをお話ししておきましょう。この保険は、私たち個人が日常生活の中で、第三者の身体や財物に対して、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償されるものです。

もちろん、保険金が支払われないとならない要件はありますが、日常生活全般を補償するものなので補償の範囲はかなり広いといえます。また、家族型あるいは家族全員で加入する必要はなく、例えば、その家の生計維持者が加入すれば、配偶者や子供、同居の親などまで補償範囲に入ります。

最近の動きとして責任無能力者を監督するその親族(認知症の親を介護する子など)を記名被保険者に拡大したり、同性間パートナーを配偶者の定義に含める動きなどがでてきています。

個人賠償責任保険は「特約」。気づかぬうちに付帯していることも

個人賠償責任保険は単独で加入することがほとんどできないので、他の保険に特約で付帯して契約するのが一般的です。そのため正式には個人賠償責任保険「特約」ということになります。この特約を付帯できるのは、主に自動車保険、火災保険、傷害保険、積立(傷害・火災)保険などです。

加入を考えている人は、自分もしくは家族が加入している保険を見直し、重複していないか確認してみましょう。損保各社でも重複契約は契約者の不利益になるとのことで、以前に比べると細かく重複契約をチェックしています。実際に特約保険料は負担の大きなものではありませんが、無駄に支払う必要もありません。

個人賠償責任保険はコスパの高い保険

火災保険に個人賠償責任保険(個人賠償責任補償、日常生活賠償)を特約付帯する場合、保険金額(補償額)を1億円つけても月々の保険料は100円程度です。コストパフォーマンスのいい保険といえます。ただし、自分で保険の管理ができない人は要注意。特約だと保険に加入している意識が薄くなりがちだからです。

仮に、自動車保険に個人賠償責任保険をつけたとします。数年経ち、「車に乗らなくなったから自動車保険を解約する」といった場合、個人賠償責任保険を付帯していることを覚えていないと、いつの間にか補償がなくなっていたということになりかねません。

家族全員を補償しているケースではなおさらです。「お父さんの保険についているから大丈夫」と安心していても、契約自体がいつの間にかなくなっていたら、他の家族は気づけません。保険の内容は定期的にきちんと確認するというのが基本です。

クレジットカード付帯の個人賠償責任保険は役立つ?

個人賠償責任保険に知らずに加入しているという理由のもう一つは、クレジットカードに付帯サービスとしてついているケースがあるということです。クレジットカード付帯サービスだと、保険金額が少ないこともあるため、あくまで「おまけ」でついているくらいのつもりがいいと思います。「クレジットカードに個人賠償責任保険がついているから大丈夫」と過度に期待していると、肝心なときに役に立たないかもしれません。

なかには、別途保険料を支払って加入できるカードもあるようです。無料サービスかコストを別に支払うかで、当然補償内容も変わります。いずれにしても、保険金額がいくらついているかや保険の適用要件に何か条件はないか、といったことはチェックしておいてください。

マンション住まい、賃貸住まいの人は加入している可能性も

分譲マンションに住んでいると、マンション管理組合がありますが、管理組合でマンションの共有部分の保険に加入しています。同時に個人賠償責任保険(個人賠償責任補償、日常生活賠償)に所有者などを対象に一括して加入していることは珍しくありません。自分で契約しているわけではないので、個人賠償責任保険に入っている意識はさらに薄くなるでしょう。

もし事故を起こってしまって「加入している保険がない!」となっても、マンション管理組合に契約内容を照会をしてみるとよいでしょう。いちいち管理組合に確認とるのが手間という欠点はありますが、きちんとした補償がすでに付帯されている可能性もあります。

他にも、賃貸物件に住んでいる人が賃貸借契約を結ぶ際、火災保険の加入が必須と言われて加入したなら、ほとんど個人賠償責任保険に加入しているはずです。

賃貸は建物を所有していないので、家財が保険目的になります。家主や管理会社は、入居者の家財以上に、家主への賠償(借家人賠償責任保険)や近隣への賠償(個人賠償責任保険)の補償のほうが重要です。

賃貸物件で火災保険の加入が条件になっているのは、これらの補償をつけるのが目的です。賃貸で火災保険に加入した記憶があれば、ほぼこの補償は付帯されているでしょう。

個人賠償責任保険に加入する際のポイントまとめ

このように、個人賠償責任保険と一口に言っても様々な加入方法・形態があります。どのような方法をとるにせよ、ポイントは次のとおりです。
  • 誰に補償が必要なのか
  • 補償額はいくらか(1000万円でも1億円でも、支払う保険料に大差はない)
  • 特約ならどの保険につけるか(自動車保険? 火災保険? 管理のしやすいものに)
  • 示談交渉サービス(参考記事「示談交渉サービス、あなたの保険には付いている?」)の有無や保険金の支払対象とならないケースも確認
以上の点をチェックした上で、個人賠償責任保険の加入を検討するようにしましょう。

※法律上の損害賠償については事案により異なることがあります。
※保険会社・商品によって内容が異なることがあります。加入に際しては必ず内容の確認をお願いします。

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