目黒駅前に第1号「三井の住まいモール」でできること

「中古マンションを買ってリフォーム」は至難の技!?

リノベーションブームである。テイストの似通った新築マンションを買うよりも、「割安な中古マンションを買って、自分の好きなように空間を替えて住みたい」。そんなこだわり派が増えた。しかし、言うは易く行うは難し。そう簡単に事は進まない。

まず、中古マンションを探すには、仲介会社を尋ねなければならない。良い物件があったら教えてもらうように依頼する。しかし、いざ検討の段に入り、こまかな要望（例えば、「フローリングにしたい」くらいならいいが、「水周りの位置も変えたい」や「天井にもこだわりたい」）は検討時間を大幅に必要とする。管理規約や図面の詳細なチェックがいるからだ。仲介側としては、良い物件に早く決めてくれる人をあてがいたい。他社に取られる前に。さて、あなたの依頼は彼にとって優先順位が高いだろうか。

リフォーム会社も本腰をいれるかどうか疑問だ。こだわりの空間づくり自体は、確かにやりがいのある仕事だが、まだその間取りが依頼者のものでないのに（つまり買えるかどうかもわからないうちに）、さらにいえば、リフォームの見積もり次第では物件価格そのものが予算オーバーになるかもしれないのに、現地に足を運んだり、詳細な調査をするのは、どう考えても非効率。売買契約を結んでから来て欲しい、というのが本音ではないか。

買ってから「あれはできない、これは無理」は最悪。クロスと水周りの設備が新しくなっただけでは、リノベーションと呼べないだろう。

新たな試み「三井の住まいモール」

今月10日、三井不動産グループは新たな店舗形式である「三井の住まいモール」第1号を目黒に開設した。

JR山手線「目黒」駅西口、「パークタワー目黒」の5階。ここに、新築マンション（三井不動産レジデンシャル）をはじめ、中古マンションや土地の仲介（三井リアルティ）、リフォーム（三井のリフォーム）、注文住宅（三井ホーム）、賃貸（レジデントファースト）の5店舗（業種）が集結。さまざまなニーズにワンストップで応える新たな試みである。

背景には、新築マンションと中古マンション、またはマンションと一戸建てなどこれまで思考を二分してきたマイホーム選びに、最近では、いくつかの種別をまたがって探す「並行検討者」が増える傾向にあり、今までの店舗では顧客の要望に応えきれないとの危機感があった。