海溝型地震の「東日本大震災」 活断層による内陸型地震の「阪神淡路大震災」
地震のメカニズムに関して、昨年3月の東日本大震災は宮城・福島県沖(=日本海溝)を震源域とする「海溝型地震」でした。北米プレートと太平洋プレートのプレート境界線上で発生したことから「プレート境界型地震」とも呼ばれています。
日本列島とその周辺には4つのプレート(岩盤)があり(下図参照)、日本列島は「ユーラシアプレート」と「北米プレート」からなる『陸側のプレート』の上に載っています。これに対し、「太平洋プレート」と「フィリピン海プレート」は『海側のプレート』と呼ばれ、この海側のプレート(太平洋プレート)が下に沈み込むことによって引っ張られた歪みに陸側のプレート(北米プレート)が耐えられなくなり、歪んだ陸側のプレートの先端部分が歪みを元に戻そうと跳ね上がったことで東日本大震災が発生しました。
これに対して、17年前の阪神淡路大震災は「内陸型(直下型)地震」でした。プレート内部(陸域)にある活断層のズレによって大きな揺れが発生しました。
活断層とは過去200万年ほど前までさかのぼって繰り返し活動し、今後も再び活動すると考えられる断層のことです。日本の内陸部や沿岸部には約2000の活断層があるとされており、1つの活断層は1000年から数万年以上という間隔で活動します。
立川断層帯による地震が発生すると、東京・府中市などで最大震度6強の揺れが発生
前ページで触れた立川断層帯は、日本の主な活断層における相対的な評価では発生確率が「やや高いグループ」に属しています。具体的には30年以内が0.5%~2%、50年以内が0.8%~4%、100年以内が2%~7%となっており、立川断層帯が活動した場合にはマグニチュード7.4程度の地震が発生し、東京・府中市や武蔵村山市では最大震度6強の揺れが想定されています。
位置関係を確認しておくと、この断層帯は埼玉県飯能市から東京都青梅市、武蔵村山市、立川市を経て府中市に至る全長約33キロメートルの断層帯です。
そして、最も気になる今後については「東日本大震災によって大きな地殻変動があり、断層の向きによっては断層にかかる力が増えたところもある」一方で、「武蔵野台地は地盤がしっかりしており、立川断層帯の地震発生確率の上昇はごく僅か」(立川市のホームページより引用)と評価されています。
☆ ☆ ☆
東日本大震災を契機に、マイホーム選びの基準は大きく変化しました。地震リスクに対する関心が高まり、外観やインテリア、設備機器といった「見た目」以外の基本構造や地盤にも気を配るようになりました。今後は正確なリスク情報をどれだけ収集できるかが、マイホーム購入の成否を二分することになります。住宅購入を検討中の人は、情報のアンテナを張り巡らせ、有益なリスク情報の収集に努めてほしいと思います。