世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

ベルサイユ宮殿:フランスが誇る世界で最も華麗な王宮(5ページ目)

太陽王ルイ14世は、水なき土地に水を引き、丘を削って森を刈り、自然を直線で区切って豪壮な宮殿と庭園を築き上げた。そして王や諸侯を招待し、自分が自然をも征服する「王の中の王」であることを見せつけた。今回は、絶対王政の象徴であり、世界でもっとも華麗な宮殿といわれるフランスの世界遺産「ベルサイユの宮殿と庭園」の名所や歴史・観光情報を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

ベルサイユ宮殿への道

ベルサイユ宮殿西ファサード

ベルサイユ宮殿西ファサード。宮殿を引きの写真で見ると平たく見えるが、近くで見るとこんなに大きい ©牧哲雄

■エアー&ツアー情報
ベルサイユ宮殿を訪れるなら起点となるのはフランスの首都パリ。パリへはエールフランス、ANA、JALが成田や大阪から直行便を出しているほか、アジアやヨーロッパ各地を経由する様々な便がある。格安航空券で8万円前後から、ツアーは6日間12万円程度から。

■フランスの国内移動
パリからは近郊鉄道RER-C線でVersailles-Rive-Gauche(ベルサイユ・リヴ・ゴーシュ)駅下車が一般的。あるいは国鉄SNCFを使ってVersailles Chantiers(ベルサイユ・シャンティエ)駅やVersailles Rive Droite(ベルサイユ・リヴ・ドロワ)駅で降りてもよい。
ベルサイユ宮殿の威容

ベルサイユ宮殿の威容。ルイ14世は世界中の王族・貴族を招いてその力を見せつけた

■周辺の世界遺産
パリから日帰り圏内に数多くの世界遺産がある。

パリ中心部に「パリのセーヌ河岸」、電車で1時間以内で「ベルサイユの宮殿と庭園」、「フォンテーヌブローの宮殿と庭園」、「ル・コルビュジエの建築作品 - 近代建築運動への顕著な貢献」登録のサヴォア邸、1~2時間で「シャルトル大聖堂」や「中世市場都市プロヴァンス」「ランスのノートル・ダム大聖堂、サン・レミ旧大修道院及びトー宮殿」、2~3時間程度だと「シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」「ブールジュ大聖堂」「ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市」なども射程に入ってくる。

人気の「モンサンミッシェルとその湾」は4時間ほどだが、乗り継ぎがよくないので日帰りでギリギリ。詳細は記事を参照してほしい。

ベルサイユ宮殿のベストシーズン

アポロンの泉

ギリシア・ローマ神話の英雄アポロンの像を配したアポロンの泉。他にネプチューンの泉、サトゥルヌスの泉、バッカスの泉等がある。後ろに見えるのがグラン・カナル

パリの気候は東京に近く、季節は同じでやや気温が低い程度。夏の平均最高気温は25度前後、冬の平均最低気温は-5度前後。降水量は、雨の多い月で東京の冬程度、1年を通してそれほど多くない。

宮殿には庭園があるので、チューリップや水仙などの花々が咲き乱れ、新緑が美しい春から夏にかけてがベストシーズンとなる。とはいっても、それほど季節を気にする必要はない。

世界遺産基本データ&リンク

ル・アモーの農家の家屋

ル・アモーの農家の家屋。ベルサイユ宮殿の中にいるとは思えない落ち着いた雰囲気

【世界遺産基本データ】
登録名称:ベルサイユの宮殿と庭園
Palace and Park of Versailles
国名:フランス
登録年と登録基準:1979年、2007年拡大、文化遺産(i)(ii)(vi)

【関連記事&サイト】
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