不動産売買の法律・制度/不動産に欠かせない「道路」の知識

43条ただし書きが適用される敷地を買うとき(2ページ目)

建築基準法に定められた接道義務を満たさない敷地でも、43条ただし書きの規定によって建築確認を受けられる場合があります。しかし、そのためには一定の手続きなどが必要で、必ず受けられるという保証はありません。このような敷地はそれなりに安く売られることが多いものの、特性をよく理解したうえで慎重に検討をすることが大切です。(2017年改訂版、初出:2012年2月)

執筆者:平野 雅之


43条ただし書き適用の可否は建築審査会で

以前は43条ただし書きを適用するかどうかの判断が建築主事の裁量に任せられていたため、事前に相談をすれば建築確認取得の確約が得られることもあったほか、43条ただし書きを適用する道(通路)や敷地などをあらかじめ明示している自治体も少なくありませんでした。

また、建築基準法上の道路ではないものの、43条ただし書きが適用される道については、「ただし書き道路」と呼ぶこともありました。

しかし、建築確認検査事務が民間に開放された1999年(平成11年)5月の法改正に伴い、ただし書きの適用が建築審査会の同意を得たうえで特定行政庁の許可を得るものとされています。

そのため、建築基準法による接道義務を満たさない敷地の場合は、建築確認の申請をする前に、まず「法43条許可申請」を出さなければなりません。

敷地の接する部分が道路状の私有地(通路)のとき、自治体によっては関係者全員の署名押印による「通路確保の合意書(協定書)」や、その通路が狭い場合には「通路確保および拡幅整備の合意書(協定書)」などの提出を求められる場合もあります。

この合意書(協定書)については、その締結後に該当する敷地を購入するなど新たに権利者(所有者)となった人に対しても、その合意内容を継承して同意を得ることが求められています。

敷地の状況が、あらかじめ建築審査会の議決を得た一括同意基準、包括的同意基準などに該当する場合には、先に特定行政庁がただし書き適用の許可をしたうえで建築審査会へ報告をすることになるようです。

しかし、それ以外の敷地の場合には「建築審査会の判断を待たなければ建築確認を受けられるかどうかが分からない」ということになるでしょう。


接道義務を満たさない敷地を購入するとき

接道義務を満たさない敷地は、それ相応に安くなることが通例です。ただし書きが適用される可能性が高ければ周辺相場の1~2割減程度のこともありますが、適用の可能性がまったくない敷地の場合には通常の土地価格の10分の1以下で売られるケースもあるでしょう。

ただし書きが適用されるかどうか分からない土地を建築敷地として購入しようとする場合には、売買契約と並行して建築確認申請の準備を進め、まず「法43条許可申請」を提出します。

そして、売買契約書の中には「建築確認を受けることができなかった(ただし書きの適用が受けられなかった)場合には、契約を白紙解除する」といった旨の特約条項を盛り込んでおくことが必要です。

また、このような敷地や、その敷地に建てられた中古住宅を購入するとき、金融機関によっては担保評価が低く抑えられ、通常の住宅ローンよりも少ない融資割合となったり、あるいはまったく融資されなかったりすることもあります。

融資が否認または減額された場合には契約を白紙解除できるように、「融資利用の特約」も忘れてはなりません。

同じ状況にある並びの敷地などで、近年に建築確認を受けた建物があるのかどうかを事前によく調べておくことも必要です。


いまはOKでも、将来的な保証はない

ただし書きの適用が受けられたとしても、それはあくまでも「例外措置」であることを忘れてはなりません。将来に建て替えなどをしようとするとき、再びただし書きの適用が受けられるかどうか、何ら保証はないのです。

敷地の接する部分が「道路状の通路」であり、かつ、それが公有地のとき、または私有地で関係者全員の同意による合意書(協定書)を作成しているときには、将来的にも認められる可能性が高いでしょう。

また、敷地と道路との間に暗渠(あんきょ)となった水路を挟んでいるだけで、安全面などでの支障がまったくない場合、あるいは将来的に維持される一定幅以上の遊歩道に接している場合であれば、法律が大きく変わらないかぎり特段の問題はないかもしれません。

しかし、敷地が接する広場や公園、空き地などによってただし書きの適用を受けた場合には、その広場などが廃止されたときに適用の拠りどころを失うことになります。

一つひとつの敷地によって条件は異なりますが、安全面などでの支障はないか、支障のない状態が将来まで確実に維持されるのか、といった観点でよく調べることも大切です。


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