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「免震建物、3割で不具合!?」の気になる中身(2ページ目)

先日、「免震建物、3割で不具合が確認!?」の見出しが新聞の1面を飾った。東北太平洋沖地震で免震建物327棟を調査したところ、28%にあたる90棟で設計通りに作動しなかったことが日本免震構造協会の調べで分かったという。トラブルの実態を調べてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

「免震建物、3割で不具合!?」の実際

イメージフォト

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先日、「免震建物、3割で不具合が確認!?」の見出しが新聞の1面を飾った。東北太平洋沖地震で免震建物327棟を調査したところ、28%にあたる90棟で設計通りに作動しなかったことが日本免震構造協会の調べで分かったとのこと。

 しかし、詳しく実態を聞いていみるとトラブルの大半は維持管理に起因するもの。免震は地盤と建物を絶縁しているために、それぞれが異なった揺れ方をするため、クリアランスと呼ばれる隙間を設けなければならない。ところが、その部分に「ゴミがはさまる」「モノを置く」「かぶせてあった金属版が錆び付いていた」「建造物をあらたに造ってしまっていた」などで設計通りに動けなかったそうだ。

肝心の積層ゴムに問題があったケースは皆無。つまり、本来の免震設計、免震施工に起因するものではなく、あくまで使う側(または所有側)の管理メンテナンスによるところが大きい。免震マンションにすでに住んでいる人やこれから住もうと検討している人は気を付ける必要がある。

新しい技術に不可欠なのは、使い手の正しい知識

低層免震「パークシティ浜田山」

低層免震「パークシティ浜田山」

東日本大震災以降、マンション業界では免震を積極的に採用する動きが見られる。なかでも三井不動産レジデンシャルは、今後タワーマンションはすべて免震構造を導入すると発表している。現に免震マンションの売れ行きは総じて良いと聞くから、この流れはますます広がりそうだ。

エコの浸透で設備や躯体の断熱性能、省エネ性能が上がった。震災を経験し、構造も進化していくだろう。資産でもある住宅は、世の中の大きなトレンドやトラブルを踏まえて改良されていくが、住み手側にも同様に変化が求められる。必要な知識、性能を維持するためのメンテナンス。すべてメーカー任せでは本当の安心は得られないとの教訓が、今般の免震のトラブルだ。

まもなく大震災から1年。何を学び、何が変わったのか。しっかりと振り返ってみたい。

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免震と制震の基礎知識<番外編>
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