土地区画整理事業が計画されている区域内の土地を購入するとき

土地区画整理事業に伴う認可や事業計画決定の公告がされる前の段階においては、通常の土地と同じように購入することができます。

ただし、計画されている内容について十分な説明を受けることが重要です。

計画の立案段階では詳細が分からない場合もありますが、事業が認可された後は建築行為などが制限されること、換地によって敷地の位置が変わり、既存の家を取り壊したり改めて新築したりしなければならない場合があること、換地後の敷地面積は減少すること、清算金の交付や徴収が行なわれる場合もあることなどをよく理解しておかなければなりません。


土地区画整理事業が施行されている区域内の土地を購入するとき

もちろん事業の内容をしっかりと確認することが重要ですが、事業認可の公告などがあった日からは一定の建築行為などが制限されることを十分に理解しておくようにしましょう。

土地区画整理法第76条では、「土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更もしくは建築物その他の工作物の新築、改築もしくは増築を行い、または政令で定める移動の容易でない物件の設置もしくはたい積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあっては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない」としています。

さらに、仮換地の指定を受けた後の土地取引では、「売買の対象となるのが従前の土地、実際に使えるのが仮換地」となることに注意しなければなりません。

購入する土地と使える土地が違うというのは、初めて聞くと分かりづらいかもしれませんが、土地区画整理事業地内の売買ではたいへん多いケースです。

この場合、所有権の移転登記をするのも、住宅ローンを借りて金融機関が抵当権の設定登記をするのも従前の土地が対象です。全体の工事が完了した後の換地処分によって登記記録(登記簿)が新しく作られ、使える土地と所有する土地が一致することになります。

また、仮換地の指定に伴い施行者が仮清算金の徴収または交付(仮清算)をする場合もありますが、清算金が確定するのは「換地処分の公告があった日の翌日」となっています。

この清算金の負担または帰属先(売主か買主か)について、売買契約書のなかでしっかりと取り決めておかないと、後に面倒なトラブルにもなりかねません。

原則として換地処分時点での土地所有者などに対し、清算金の徴収または交付がされることになるので、それまでに決済(土地の引き渡し)が終わるのであれば、買主の負担(または買主への帰属)とするのが通例でしょう。

なお、地価下落傾向が続くときには保留地などの売却が想定どおりにいかず、土地区画整理事業の進捗に支障を来たす例もあります。清算金が当初の予定と大きく変わる場合も考えられるので注意が欠かせません。

事業区域内の土地をいったん不動産業者が取得して一般に分譲するようなケースでは、最終的な買主の負担が過大とならないように一定の配慮がされている場合もあるようです。


換地処分直後の土地を購入するとき

換地処分の公告がされると、法務局では付け直した地番に基づいて新しく土地の登記記録を作成しますが、この作業をするために一定期間(事業の規模により3か月~6か月程度)は登記記録が閉鎖されます。

その期間中は直近の登記事項証明書などを入手することができないため、売買対象となる土地を特定するためには、施行者が発行する「換地処分通知書」などが用いられます。

この通知書には、換地処分後の土地の明細や所有者の住所・氏名、所有権以外の権利(抵当権の債権額などを除く)や制限、清算金の明細などが記載されています。換地処分前に取得された、少し古い登記事項証明書が併用されることもあります。

登記記録が閉鎖されていても土地の売買契約自体は可能です。しかし、残代金を支払っても所有権の移転登記ができないことや、抵当権の設定登記ができないために住宅ローンなど金融機関の融資が実行されないケースが多いことなどを考えると、決済(引き渡し)は法務局の登記事務再開後とするほうが妥当でしょう。

また、土地区画整理事業に伴う清算金は、換地処分の公告後おおむね6か月ほどで徴収または交付が行なわれ、一連の手続きが完了することになります。

換地処分の公告後に土地を売買するときには、清算金の負担(または帰属先)がすでに売主で確定していますから、売買契約上でも売主の負担などとするべきだと考えられます。

換地処分の公告から一定期間が経過し、法務局による登記事務が再開された後は、通常の土地売買とまったく同じになります。


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