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PSVita初週約32万台は多い?少ない?(3ページ目)

待ちに待った新ハード、PlayStationVitaが2011年12月19日に発売されました。発売後2日間の計測による初週の販売台数は約32万台。でもこれってゲームハードとして多いのか、少ないのか、よく分からない人もいるかもしれませんね。ということで、この数字の意味について、考えてみたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

PSVitaをどう育てるか

色々できるPSVitaの図

本当に色んなことができます。それだけに、何を中心に訴求するのかが大事です。(イラスト 橋本モチチ)

ガイドがPSVitaを触ってすぐに感じたことは、ポテンシャルの高さです。有機ELディスプレイの美しさ、豊富な操作系、ニコニコ動画やTwitterなどのWebサービスが快適に使えるアプリケーション、みんなといっしょなどのユーザーコミュニケーションツール。大きなマルチタッチスクリーンと相まってPlayStationStoreの使い勝手なども大変によく、メーカーがコンテンツをプッシュしやすい環境が作られています。nearで自分のご近所のゲームユーザーが何を遊んでいるのかランキングで分かるのは、中々面白いものです。自分の周りでもこんなにPSVitaを買ってたんだと発売日の興奮を味わい、もっと色々なゲームが発売されたらどうなるかなというのがとても気になります。

しかし、たくさんの機能があるからこそ、それを使いこなすにはユーザーには相応の知識がいりますし、これから買おうという人には、分かりやすい切り口が求められます。ユーザーにどう使いこなしてもらうか、メーカーがどう使いこなすか、そしてPSPのように育てていけるかが課題となります。

ゲームハードの区切りに400万台という数字があります。ゲームメーカーから見て、市場が構築されてきてソフトを投入しやすい、ビジネスが展開しやすい環境と言える数字です。PlayStation3が2009年秋に値下げと新型投入を行い、その冬にファイナルファンタジー13を発売。この時期に400万台をこえ、ターニングポイントになって翌年は中堅タイトルの売上が堅調に伸びていきました。また、怒涛の如く売上を伸ばしている3DSは、おそらく近いうちに400万台を突破するでしょう。発売からここまで前半は停滞感も漂っていた3DSは、次のステップに進むことになります。

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いつ400万台にたどり着くのか、もう少し正確に言うと、400万台にたどり着くという予測にリアリティが出るのか、というのはそのハードが充実していくために1つの重要な指針になります。PSVitaはこれからその道筋を作っていく必要があります。

年末年始の商戦期を逃さずスタートでベースを確保することが1つ。そこには、不具合などの不安の払拭も重要な要素かもしれません。そして、400万台を目指す過程で、3Gによる常時接続を生かしたより強力なゲームコンテンツ、あるいはサービスを提供し、WiFi/3Gモデルのユーザーを増やしていくことができるかも、方向性に大きな影響を与えるでしょう。

これから1年間かけてPSVitaをどう育てて次の年末商戦を迎えるか、それがPSVitaの未来の姿を作っていくことになりそうです。

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