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ピカブイを遊んで喜ぶ娘とちょっと泣きそうなお父さん

任天堂から発売されたニンテンドースイッチ用ソフト『ポケットモンスター Let‘s Go! ピカチュウ・イーブイ』では、2人で一緒に冒険を進めることができます。これを子どもと一緒に遊ぶのが、とても楽しいのです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

子育てゲーマーにピカブイを勧めたい

ピカブイの図

ぜひお子さんと一緒に遊んで欲しい!

ガイドには子どもが2人います。6歳の女の子と1歳半の男の子。娘が産まれ、育てていく中で、今まで灰色がかって見えていた景色が、鮮やかに蘇ったように感じたことをよく覚えています。

ゲームが好きな人にこの話をするとき、オンラインゲームの大型アップデートに例えることがあります。MMOROGで、ずいぶん長く遊んでいると、もちろん楽しいは楽しいんですが、レベルは上がりにくくなって、新しいスキルを覚えることも少なく、クエストも大方やりつくしたところにくる、大型アップデート。このアップデートでレベルの低い新キャラを育てながら遊ぶことになります。大量の新しいクエストはどれも大変なものばかり。情報を集めて、新しい場所に訪れて、1つ1つ困難を越えていくと、新キャラはどんどんレベルアップしていきます。大変で大変で、頭を悩ますことばかりですし、時間が足りなくてしょうがないのですが、今まで楽しいと思いながらもどこかマンネリを感じていたゲームが、新鮮で驚きや喜びに満ちたものに蘇っていることに気がつきます。

本当に、生活の中で何でもないと思っていたことが、子どもの目線を通すことで色鮮やかに感じられることが多々あります。秋の公園、娘は枯れ葉を両手いっぱいに集めて宙にわっと撒いてニコニコしています。そうか、と思ってガイドは娘よりもっともっとたくさん枯れ葉を集めてぶわっと宙に撒くと大喜びです。「かれははたのしい」と娘は言います。今度はドングリ探そうかと言うと「きょうそう!」と勝手に決めて枯れ葉をかき分けはじめます。「みつけた!」と誇らしそうにかかげた手にはドングリはなく、人差し指と親指の間にダンゴムシが丸まっていることもあります。ドングリじゃないね、というと元気よく「だんごむし!」と言います。娘と秋の公園に来ると、楽しいことがいっぱいあるんだな、と感じるのです。

毎日の生活の中で、こんなことは山ほどあります。最近はお手伝いに興味を示して、洗濯物干しや、料理をやらせろ手伝わせろと言ってきます。そのたびに、慣れでやっていたことが、娘の目を通して新鮮に蘇ります。そして、その1つにポケモンがありました。
 

ガラッと変わったポケモン最新作

ポケモンGOの図

ポケモンGOのように、サークルが表示されるので、その中にボールが投げられると捕獲しやすくなり、経験値もたくさんもらえます

2018年11月16日に任天堂から発売されたニンテンドースイッチ用RPG『ポケットモンスター Let‘s Go! ピカチュウ・イーブイ(以下ピカブイ)』は、1998年に発売されたゲームボーイ用タイトルの『ポケットモンスター ピカチュウ』がベースではありますが、グラフィックはもちろんのこと、遊び方が従来のポケモンからガラッと変わってリニューアルしています。

スマートフォン用アプリの『ポケモンGO』の遊び方が取り入れられていると言えば、分かりやすいかもしれません。従来は草むらなどを歩くとランダムにポケモンと遭遇し、手持ちのポケモンと戦わせて体力を減らし、モンスターボールを投げて捕まえるというのが基本の流れでした。しかし今回はシンボルエンカウントと言いますが、ポケモン達はマップ上に見えているので、そこにプレイヤーキャラクターが接触するとポケモン達と遭遇、戦わせる必要はなく、いきなりモンスターボールを投げます。この時、ポケモンGOであれば、画面にあるモンスターボールをスワイプしてポケモンに当てますが、それに似た形で、Joy-Conを振ることでモンスターボールを投げると、画面の中にボールが飛んでいくので、これをポケモンにあてて捕まえます。

ポケモンを捕まえると経験値が手に入り、戦わなくても、ポケモンを捕まえるだけでレベルがあがっていきます。戦闘がないのかというとそんなことはなく、トレーナーや、ジムリーダー達とは従来通りのポケモンバトルが楽しめます。
 

2人で遊ぼう!

Joy-Conの図

Joy-Conを2つ使って2人プレイができます。ちなみに、Joy-Conを縦に持って片手操作で遊びます。

ピカブイで変わったことは細かく言えば他にもいくつもあるのですが、今回ご紹介したいのは、これが2人で遊べる、ということです。従来のポケモンでもタッグバトルと言って、対戦を2人で協力して遊ぶことはできましたが、今回はストーリーを進めるRPG部分も2人で遊ぶことができます。

ニンテンドースイッチに2つ目のJoy-Conを接続して、振ると「サポートトレーナー」という形でポケモントレーナーがもう1人あらわれます。きちんとマップ上でも操作できて、一緒に冒険することができます。

ポケモンを捕まえる時は2人ともモンスターボールを投げることができますし、他のポケモントレーナーとのバトルでは、2人で1匹ずつポケモンに指示を出して戦うことができます。大体の場合は、2対1のバトルになるので有利に戦えますね。そしてこれを、6歳の娘とやるわけです。これは本当に素晴らしい、宝物のような体験でした。
 

喜ぶ娘と、実はちょっと泣きそうなお父さん

ピカブイの図

 Let‘s Go! イーブイではイーブイが相棒として最初から仲間になってくれますが、ピカチュウも野生でいるのですぐに捕まえられます

ガイドの娘はポケモンが大好きで、アニメは『Amazonプライム・ビデオ』で過去にさかのぼってほとんど観ていますし、クリスマスプレゼントは『ロトムずかん』と『ロトムずかんDX』を2年連続で欲しがり、ゲームもポケモンGOや『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX』はガイドと遊んでいますが、RPGのポケモンを娘にはちょっと難しくて遊ぶことができませんでした。しかし、ピカブイの2人プレイなら、難しいところは全部ガイドが進めて、娘はサポートトレーナーとして参加することができます。娘の希望で、Let's Go! イーブイの方を購入しました。

アニメで観ていたポケモンの世界、サトシと同じ冒険の旅にでることのできた娘は、目をキラキラさせて遊び始めました。ポケモンを1匹捕まえるだけで、それはもうはしゃぎます。丸くてピンクでかわいくて好きなプリンを見つけると、大興奮です。トレーナーとのバトルでは、それぞれの技の効果はきちんと理解していませんが、それでもサトシの気分で毎回一生懸命考えて指示を出します。それこそ、初めてポケモンを遊んだ時のような、ポケモンに出会うたびに驚きと喜びを感じる娘を通して、ガイドもなんだかとても新鮮な気持ちで遊べます。彼女は伝説のポケモンでなくても、四天王とのバトルでなくても、もう、出発してすぐに見つけたピカチュウに大興奮なのです。

ポケモンを捕まえる時は、ガイドからすると今までとは遊びが変わっているのですが、娘は先にポケモンGOを遊んでいるおかげで、むしろ分かりやすくはいれました。2人ともモンスターボールを投げることができますが、これが同時に当たるとダブルテクニックと言って特別な演出が入り、捕まえた時の経験値がたくさん入ります、

ダブルテクニックが決まると、娘はそれはもう飛び跳ねて喜び、息子は横でわけが分かっていないんですが雰囲気で喜んで「アハハハハ」と笑いながら手を叩いています。お父さんは一緒に喜んでいるんですが、実はちょっと泣きそうです。
 

宝物のようなゲーム

ポケモンの図

ポケモンGOなどで興味を持って、初めて遊ぶという人には大変オススメです(イラスト 橋本モチチ)

ピカブイはかなりゲームが簡略化されていますし、2人で遊ぶと難易度もかなり低くなります。もしかすると従来のポケモンシリーズが好きな人の中には物足りないという人もいるかもしれません。しかし、小さな子どもや、ポケモンGOでポケモンに興味を持った人が初めて遊ぶのにはとてもいいタイトルでしょう。特に2人で遊べば、1人がリードしてあげることでスムーズに遊べるはずです。

そしてぜひ、子育てをしているゲーマーの方には、ぜひお子さんと一緒に遊んでみていただきたいと思います。「ポッポは飛行タイプだから、ピカチュウのでんきわざが相性抜群だよ!」なんて教えてあげると、尊敬のまなざしもゲットできます。そして子どもの目線で、初めて遊ぶポケモンの世界を、一緒に旅してみてください。

秋の公園の枯れ葉やダンゴムシのように、ポケモンの世界で起こる全てのことが、子どもの目には新鮮で驚きや喜びに満ちています。ガイドは娘と一緒にピカブイを遊んで、ゲーマーで良かったなあ、子どもを育てていて良かったなあ、と思います。何かもう、娘と遊んでいると、楽しいを通り越して幸せなのです。子どもを育てることの喜びはたくさんありますが、ゲーマーだったことで、こんなボーナスがあるんだな、ご褒美だなと思います。ぜひぜひ、子育て中のポケモントレーナーの皆様は、お子さんと一緒に遊んでみてください。

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